映画『ゴジラ-1.0』を観ました。
ちょうどアカデミー賞のVisual Effects部門(視覚効果)にノミネートされたので、旬の作品です!
もともと妹が甥っ子12歳と行く予定だったのですが、姪っ子が熱を出したので代わりに私が12歳を連れて行ってきました。
第二次世界大戦終盤、とある地に巨大生物が出現。
そこに逗留していた日本軍が襲われ壊滅。
かろうじて生き残った飛行士の敷島は彼らを助けられなかった後悔を胸に日本へ帰還したが、敗戦した日本は荒地となり人々の生活は荒んでいた。
ひょんな事から他人の赤子を抱える女、典子が敷島の元へ転がり込んで戦後の苦しい日々を過ごしていた。
ようやく日本が復興しつつあるなか再び巨大生物が出現し、ゴジラと呼ばれるその生物は東京に近づきつつあった。
しかし対峙できるほどの国力はなく、敷島をはじめ戦争から帰還した国民が集まって新たな作戦を行う。
民間の力でゴジラを止めることができるのか?
以上が簡単なストーリーです。
私はゴジラ作品を観るのは『シン・ゴジラ』以外で初めて。
予想以上に人間ドラマで驚きました。
普段アメリカ映画を観ることが圧倒的に多いのですが、洋画だと怪獣とのバトルシーンや破壊シーンが殆どか、少なくても半分はバトルです。
でもこの『マイナスワン』はひとりの青年が戦争に生き残ってしまった事に苦悩し絶望から希望までの道のりが核で、そこにさらなる苦難としてゴジラが登場する。
映画を観終わってもタイトルの『ゴジラ-1.0』の"マイナスワン"の意味がわからなかったのですが、館内のポスターを見て納得。
『戦後、日本。
無(ゼロ)から負(マイナス)へ。』
日本の状態がマイナスになったということなんですね。
ここもやっぱりゴジラではなく日本という人の生活に焦点が合っているので、怪獣映画といえども人間ドラマなんだなと思います。
とはいえ、ゴジラのシーンはかっこよかったですねー!
特に最後のわだつみ作戦で熱線を吐くときのゴジラとかゾクゾクしました。
ただ、映画そのものは良い作品だと思うんだけど、私は戦争ものが苦手なのでストーリー自体がちょっと…。
戦争って、もう絶対、何があっても非人道的な悲劇でしかないので見たくないんです。
どんなに結末に希望があっても、わざわざ映画で胸締めつけられる思いをしたくない。
しかも『君たちはどう生きるか』と続けて観てしまったので、少ししんどかったです。
ところで、観ながら「甥っ子12歳はストーリーを理解しているのだろうか…」と思ったので、後で聞いてみました。
私: あれ、第二次世界大戦のころの話だよ。
12歳「え、あーそうなんだー」
私: "軍艦から武器になるようなものは全部外された"って言ってたでしょ。日本は負けたからだよ。
12歳「あーなるほどね」
私: 特攻隊ってわかる?主人公は特攻隊だって言ってたでしょ。
12歳「うーん、戦う人?」
私: まぁ、戦う人なんだけど、飛行機に乗ってそのまま敵の中に突っ込んで自爆する人達のことだよ。
自分が爆弾なの。死んでこいって言われて飛行機に乗るんだよ。お隣さんのおばさんが"生き残ってんじゃないよ"って怒ってたでしょ。だから、主人公も生き残った事が悪い事だって思って辛いんだよ。
12歳「え、えー!?そうなんだ…」
私: でもさ、みんな生きたいじゃない。当たり前だよ。戦争はそうやって生きたい人を殺すものだから、絶対にやっちゃダメなんだよ。
その後、もう少し映画のシーンについて補足しながら話したのですが、12歳は驚いたり納得したりしながら物語を少なからず理解したようでした。
それがなかったら「ゴジラかっけー!」(観終わった後の第一声)で終わってたかな。
思いのほか歴史の勉強にもなったので、子供と一緒に観るのもいいかも。
↑アメリカ版ポスター。
アカデミー賞、獲るといいな!