映画『ウエスト・エンド殺人事件』を観ました。

1953年のロンドンが舞台のコメディ・ミステリーです。

20th century studios australia


あらすじを簡単に書くと…

アガサ・クリスティ原作の人気舞台『ねずみとり』の舞台裏でひとりの男が殺された。

男は『ねずみとり』の映画化を企画するアメリカ人だった。

犯人は舞台関係者なのか?

やる気のない飲んだくれの刑事とやる気が空回りする女警官のコンビが捜査を進めるなか、再び劇場で関係者が殺される。

犯人の動機は何なのか?


以上です。


面白かった!!

ストーリーそのものはよくありそうな展開だしどんでん返しもないので、ミステリー好きには物足りないかも。

この作品にはとにかくアガサ・クリスティに関するネタがふんだんに散りばめられているので、アガサファンにはたまらない内容なのです!


まず、1950年代のイギリスが舞台設定。

そしてアガサ・クリスティ作の戯曲『ねずみとり』を上演する舞台が中心で、現在でも実際に『ねずみとり』を上演している劇場が使われています。


ちなみに私はこの映画を観るまでアガサが戯曲を書いていたのを知りませんでした。

しかもこの『ねずみとり』は実際にあった事件を元に書かれた話だそうで、それをうまく映画に組み込んでいます。


そして冒頭のセリフにもある、"フーダニットの推理もの"はアガサの小説の特徴でもあります。

フーダニット(whodunit=Who done it)は「誰がやったのか」という意味で、誰が犯人かを解き明かすタイプの推理小説のことです。


さらに、ライターのマーヴィンが住んでいるマンションはドラマ『名探偵ポアロ』が住んでいるマンション!

The modern house

これはポワロ好きにはお馴染みの光景で、胸アツでした。


他にもラストであの人が登場!

セリフにも注意してみると楽しい。


私はこれくらいしかわからなかったけど、たぶん他にもアガサネタはたくさんあるんだと思う。


わざとアガサまみれの作品を作って、そこにコメディ要素を足しているのがまたいい。

シリアスな物語のはずなのに笑えるシーンが多いので、軽く観て楽しめます。


主役のストッパー警部はサム・ロックウェル。

『ジョジョ・ラビット』に出てましたね!

The New York Times


助手のストーカー巡査はシアーシャ・ローナン。

生真面目な巡査役がとってもいい!

今までにない役なのではないでしょうか。

こういうコメディもいいですね。


さて、ここまでアガサ・クリスティへのオマージュに溢れた作品となると、アガサ作品をあまり知らない人が観るとどうなんだろう?

全く楽しめないかもしれないし、コメディ作品として笑えるかもしれない。

いやもしかすると、ミステリーものとして面白かったと思う人もいるかも。


さてさて、あなたは観終わった後、どうだったでしょうか?