去年、夫は大阪マラソンに申し込み、抽選で当たっていた。
(懲りずによくやるなぁ…)と思っていた私は、当然家で留守番するつもりであった。何回か一緒に付いていったことがあるが、待ちくたびれて最後にはトゲトゲしい態度になること毎回。そんなんだったら最初から行かない方がいいのだ。
すると今年に入って、息子が「おかーさんも来ればいいのに。」と言う。彼は今明石の方に住んでいるのだが、まさか大阪マラソンの応援に来てくれるとは思っていなかった。「そう?○○←息子の名前 が来るなら私も行こうかな。」と急に態度を変える私。
「俺はもうビジネスホテル予約しちゃってるから、来るなら自分で泊まれるところ探してね。もうその日はいっぱいで取れないかもよ。」と夫に言われる。
夫はビジネスホテルを2泊で予約していた。前日と当日。走り終わってすぐに帰ってくる元気はないと踏んでいたらしい。
私は日曜日も泊れるならば、いっそのこと二泊目は淡路島まで足を延ばして憧れの”ホテルニュー淡路”に行けばいいんじゃないか、とひらめく。
SNSで知り合いになった人たちが「あそこはいいホテルだよ~」と言っていたのを私はしっかり覚えていたのだ。
日曜日泊はお値段がぐんと安くなる。これはチャンスだ!
そのことを夫に提案すると、「俺は運転できないけど、おかーさんがそれでいいならいいよ。」と賛同してくれた。
予約は夫がしてくれた。
となると、問題は1泊目である。
ホテルニュー淡路がそこそこお高いので、1泊目は安く抑えなければならない。
自分でネットで探していたら、運のいいことにカプセルホテルが一つ空いていた。
梅田駅の近くで場所もいい。安いし。
予約完了。
初めてのカプセルホテル。場所によっては女性専用階があるらしいが、そこはそのような説明がなかった。
ちょっと怖いな~、でもま、大勢いるし、こんなおばさん大丈夫か、と自分を励ます。
1週間前になって、ちょっと聞きたいことがあってカプセルホテルに電話をかけた。

電話の表示が”男性専用○○カプセルホテル”になっている。え??男性専用?
私が見たネットの案内にはそんなこと書いていなかった。
やばい、これはキャンセルだ、と思い、電話がつながった時に「男性専用なんですか?」と聞いたら「そうです」と言うので、実は知らなくて…と言ったら、まだ無料でキャンセルできるから、じゃあキャンセルしときますねー、がちゃん。
キャンセルは無事に済んだが、私は一体どうすればいいの~?状態。
やたらと高いホテルは予約できそうだったが、ホテルニュー淡路以上に高いホテルに泊まるわけにはいかない。
夫は(だから言わんこっちゃない)という体で憮然としている。
ホテル探しに辟易としてきたころ、夫が「俺と同じビジネスホテルにキャンセルが出た!」と声を上げた。
「ずっと見てるとこういうビジネスホテルはキャンセルが出るんだよね」という。
タイミングが大事らしい。
ペット同伴可の部屋だけど、そこは私は大丈夫なのでお願いする。住所やらいろいろと打ち込む指が緊張する。「えい」予約完了。やったー。
こうして結局は一番いい形で2泊出来ることになったのだった。

                   ・・・つづく