今日は近藤サトさんの講演会に行ってきた。
題名は”新しい自分に気づくための、小さなヒント”。
簡単なプロフィールを紹介しておくと、彼女は1968年岐阜県土岐市で生まれた。
その後日大芸術学部に進学し、1991年にフジテレビにアナウンサーとして入社。
アナウンサーと言えば、お嫁さんにしたい職業やら綺麗なお姉さん、という漠然としたイメージで捉えられ、本質抜きに表面的に評価されることが多かった。
そういう固定観念が嫌で、7年間しかフジテレビにはいなかったそうだ。
彼女は遺伝的に白髪体質。
苦労してるんでしょう?なんて言われることがあるが、全然そんなことは関係ない。ただの遺伝、体質なのだ。
なのに白髪は隠さなければいけないものと、思わされてきた。
自分が見た目で人を判断するルッキズムに染まっていることに気付かされたのが、東日本大震災の取材中だったらしい。
そんな大変な状況の中、美容院に行けるわけもなく、防災グッズに白髪染めを入れなければ…と考えている自分がいたそうだ。
生きる死ぬの時に見た目がどうとか考えるか?
そんな自分にショックを受け、すっぱり白髪染めをやめたとおっしゃっていた。
子供はピュアな精神をもっているものだ。曇りのない目で世の中を見ている。
しかしだんだんとそのピュアな精神に、いろいろなものがまとわりついてくる。
他人の評価に左右され、自分では決断が出来ないようになっていく。
そのまとわりついたものを一つづつはがしていく作業が、まずは彼女にとっては白髪染めをやめることだった。
白髪染めをやめるにあたって、事務所の社長にその旨を伝えた時、テレビの仕事がなくなるよ、と言われたという。
「いいんです、私は声の仕事が出来れば…」と決断が変わることはなかったが、逆にそのことが反響を与え、テレビの仕事が増える結果になったそうだ。
真っ先に取材に来たのは婦人公論。さすが女性のことを考える老舗の雑誌だと思ったらしい。
そして”グレイヘア”は流行語大賞のノミネートにもなった。
意外だったのは女性の賛同の声。女性のファンが一気に増え、勇気をもらった、と言われることも多かったそうだ。
そんな彼女だがふいに鏡に映る自分の姿に、うわっばあさんがいる、と浦島太郎状態を味わったことも何度もあるそうだ。でも本当の自分を見ることに慣れてくると、自分に興味が湧いてきたという。ピュアな自分を感じることが出来たのだと思う。
人に強制されていたものをそうじゃないと疑って、一つづづめくっていってみる。
自分で頑張ったな、冒険したな、と思うことができると、そこに新しい人との出会いがある。
新しい人と知り合うことしか新しいことはないと思ってください、ともおっしゃっていた。
必要のないものを排除し、自分で選び取っていくことがいかに大事か、そしてそれが自分に大きな自信に与えるということを学んだそうだ。
誤解を招かないようにいっておくが、彼女はみんなに白髪染めをやめてほしいと思っているわけではない。
美しく若くありたい、と心から自分で思っているのなら、それはそれでいいことだ。
ただ同調圧力に負ける必要はない、ということだけ主張されたかったそうである。
白髪染めは身体にダメージを与える。そこをどうとらえるか、なのだと思う。
私も同じことを考えていたところだったので、タイミングよくこの話題がすっと胸に入ってきた。
自分がやりたいことを好きなようにやればいいのだ。
自信をもって生き生き生きることが一番魅力的なのだと思う。他人の目を気にせず、評価されることを恐れず、楽しく生きる、これに限る!