SNSのお友達が、ブラックフライデーでこんなの買いました~投稿をしていた。
彼女のセンスはもともと好きで、見たとたんに、これええなぁと思う。素直に私も欲しい~と思ってしまう。
商品説明も上手なので、彼女をセールスマンとして雇ったとしたら、その会社は大繁盛するに違いない。
もともと私は物欲がない方なのだが、信用する友達が勧めるものにはめっぽう弱い。全然関係ない話ではあるが、友達がらみで思い出した話がある。

団地に住んでいる時だった。
「布団のクリーニングしませんか?」という訪問があった。その時息子が少し喘息っぽかったので、布団を綺麗にしてもらうか、とお願いする気になってしまった。
その場ですぐにやってくれるという。大きな掃除機を持ち込んできた。水を使って埃を外に逃がさないシステムらしい。
こんなに汚れてましたよ~、と汚くなった水を見せられる。
初回は安かったが、定期的に来てくれてやってくれる契約をすると、このくらいの値段になります、と価格表を見せられる。けっこうお高い。
こんなんだったら、その掃除機を買った方がいいのではないだろうか…と思い、掃除機の値段を聞くと、56万円くらいだった(うろ覚え)。
そりゃ高くて無理、と思ってその場では帰ってもらった。
その後、団地の友達から電話が来て、布団クリーニングの話で盛り上がった。
彼女は「あの掃除機いいよね。私も掃除機の値段聞いちゃった。うちにお金があったら絶対買ってたわ。」という。「やっぱりそう思う?」「うん、絶対にいいと思うよ。」そうか~、やっぱりいいものか…と確信した私は夫に購入の相談をすることにした。
夫は普段あまりあれが欲しいこれが欲しいと言わない私が、珍しく買いたいと言ってきたので、子供の為も思って、買ってもいいよ、と言ってくれた。
そうして、自分から訪問してきた人に電話して購入手続きをしてしまった。
そのことを友達に報告すると、彼女は私を逆に心配してくれて、こっそり消費者相談センターに問い合わせてくれたのだった。責任も感じてしまったのだと思う。
そうしてまた電話をくれた彼女は「あれはやっぱり詐欺っぽいよ。被害届がけっこう寄せられているらしい。ちょっと電話してみたら。」と教えてくれた番号に電話をかけると、掃除機としての値段が高すぎるからやめたほうがいいのでは?と言われた。水を汚くする手口もあったらしい。クーリングオフの手続き方法を初めて聞いて、なんとか難を逃れたのであった。
最初は布団を綺麗にする、と言ってきて、実は掃除機を買う気にさせる巧妙なやり口。
ちょっと危険だと思った自分も、友達の一言であっさり前言撤回してしまうあやふやさ。人間は弱いものである。
この経験から、いつも自分を疑うことを学んだ私であった。