最近ハマっている岡田斗司夫さんのyoutubeで、面白いものがあった。
10代男性からの質問。
「自粛中にひろゆきの動画をたくさん見た弊害だと思うのですが、僕の中にリトルひろゆきがいて、僕が、(嫌だな)、(理不尽だな)、と思った時に、即座に僕が納得できるアドバイスを投げつけてきます。例えばテストが重なって勉強が忙しくなった時、(テスト勉強なんて嫌だな)と考えていると、勉強いやだなんて考えても仕方がないから、それよりどうすれば効率よくできるか考えろよ、といった具合に、まぁ納得できるアドバイスをよこします。納得は出来るものの、だからと言ってこの(嫌だな)といった気持ちが晴れるわけではなく、自分の中で逃げ道が消えるだけ。精神的に辛くなります。今これを書いている最中も、要は女性的な人生相談みたいに共感してほしいんでしょう?人と話せば?(笑)、という風に言ってきます。どうすればこのリトルひろゆきと決別できるでしょうか?」
岡田氏は大笑いしながらこの文面を読んでいたが、私も大笑い。
こんな面白い文章を多分高校生が書けることが素晴らしい。
岡田氏は
「多分あなたはまだ学生ということで、上から目線の言い方になっちゃうんですけども…」と前置きを置いた後、
「成長というのは何かって言うと、リトルなんとかが増えることなんですよ。子供のころはこのリトルなんとかがいない状態なんですね。
大人になるってことはこのリトルなんとかがだんだんだんだん増えてくるんですよ。30歳くらいになるとですね、僕は脳内学級委員会っていってるんですけども、めっちゃ増えるんですね。で30歳くらいになると20人位になるんですよ。
そのリトルなんとかがみんないろんなことを言っててですね、もう自分はその仲裁者になるんですね。
自分が気の弱い学級委員長みたいになるんです。それが成長です。
青春っていうのは悩んでばかりっていうのは何でか?っていうと、リトル誰それが全員仲が悪い状態が、青春の悩みってやつで、大人になるってどういうことかっていうと、このいつも喧嘩しているリトルなんとか達が、わりともう喧嘩しない状態になるというのかな。いつものやつが騒ぎ出すと、他の奴が同調してっていうのが、まあまあ大人になるっていうやつなんでしょう。
老化っていうのは何か?っていうと、リトルなんとかというやつらが、ほぼ静かになってきて、アドバイザー状態になるんですね。
で、どう思う?っていうと、ちょっと何か言ってくれるくらいになるんですけれども、全部自分で決めなきゃいけないと、そうすると子供のころからうるさかったリトルなんとかってやつが、例えば男はこうあらなければならない、とかですね、仕事はこういう風なものであらねばならない、とかですね、こういう風にすればいいのに、なんでお前はこんなこと出来ないんだ、っていう若いころは自分をいっぱい攻め立てたリトルなんとかが全員なんかもうおとなしくなっちゃって、居眠りしている状態ですけどね。
全部自分で考えて決めなきゃいけない、とまぁこれが老化なんですけれども。
最初のリトルなんとかがひろゆきで良かったじゃないですか。
世の中にはもっと質の悪いリトルなんとかもあるわけですし、これからどんどんリトルなんとかが増えていくんでね。
アイドルソングとかがリトルなんとかになることもありますし、男の子なんだけれども女の子のリトルアイドルが芽生えて、自分の中にいたりすることもあるんですね。
そうやって人間っていうのは多面性というのを獲得していくんで、バッチリ成長中!オッケーオッケーって感じ。リトル同士が喧嘩して、悩め悩め、それが若さだ、って思います。」


哲学的で秀逸な回答に私は感動してしまった。
私のリトルなんとか達も、よく居眠りしているのだろう。
世間体とか、もともとあまり気にするタイプではなかったが、さらにいろんな、こうでなければいけない、がめんどくさく思うこの頃である。
そして、昔ほどの勢いがなくなった、と家族に言われることもあるが、自分が悪いわけではなく、人生を順調に歩んできた結果の今なのだ、と妙に腑に落ちる回答であった。
脳内のリトルなんとか達と、お茶でも飲みながら、穏やかに過ごしていきたいこれからの人生である。