ソラは小鳥店で見た時から元気のいい子だった。
とにかく好奇心が旺盛で、棚の奥にまで入っていってしまう。
本の上の狭い隙間で、本をつつくのもお気に入り。
「まったくソラは勉強家だねぇ。」と目を細めて見ている母。

その日二羽は、母の日に買ったカーネーションの鉢の上をを、まるでジャングルジムで遊ぶかのように上に乗ったりもぐったりしていた。
たまに食べているようでもあった。
花が折れてしまったりしたが、まぁいいか、と好きにさせていた。
次の日、ソラが急に元気がなくなる。
インコを母の部屋で放している時に私が部屋に行くと、すぐにソラは私の頭めがけて飛んでくるのに、今日は母の肩の上でジッとしている。
そして羽をずっと膨らませている。
「ソラは今日かごの中でずっと寝てたのよ。」という。
そんな時もあるのかな、と様子を見ていたが、次の日はもっと元気がなくなった。
カーネーションに毒があったのではないか?と調べたが、食べても大丈夫だと書いてあった。
そしてインコの症状を調べたら、亡くなる前に見せる様子の中に、羽を膨らませて顔をその中にうめて、寝てばかりいる、というのを見つけてしまった。
やばい、まさにこれ。死んでしまうのか…
様子がおかしくなって三日後に、私は意を決してソラを獣医に連れて行った。
さんざんネコを連れて行った獣医さん。
まさかインコを連れていく日がくるとは思わなかった。
「インコは気温の変化に敏感だから、ここのところの暑かったり寒かったりで体調をくずしたのかもしれませんね。ビタミン剤を出すから一日二滴あげてください。」
と言われ帰ってきた。
三日後、ソラは元気になった。
ビタミン剤が効いたのかどうかはわからない。
でもインコちゃんたちが、大事な存在になったと思い知らされた出来事であった。
「もう、可愛くて可愛くて困っちゃう。」と目をハートにしている母への貢献度に、私はインコちゃんたちに対して表彰状をあげたいくらいである。
ペットのもつ力は偉大だ!