父が亡くなって2年。
愛猫が亡くなって数か月。
母の様子がおかしくなってきた。
週に何度か通うジムでのウォーキングに行くのを億劫がるようになった。
同じことをくり返し言うようになった。
なんとなくぼーっとしているようにも見える。
娘が「ちょっとおばあちゃん怪しくなってきたね」と気づくほどに、明らかに様子が変わってきたのであった。
私はそこで決意した。
そうだ!インコと飼おう。
私が小さいころ、インコを何回か飼ったことがあるのだ。
逃げたり、おじいちゃんが踏んずけて死んじゃったり、いろいろあったが、インコ好きな両親であった。
そこでさっそくインターネットで、手乗りになりそうなヒナを売っている店を検索。
高速で1時間かかる場所であったが、私は娘と買いに出かけた。
3羽ヒナがいたが、その中の2羽を選んで、鳥かごやエサとともに買ってきた。
するとまぁ私の読み通り、彼女の目に輝きが戻ってきた。
「私はなんどもインコを飼ったことがあるのよ。卵からヒナもかえしたんだから」
と娘に説明している。
鳥かごは母の部屋に置くことにした。
エサや水を取り替え、あれやこれやおもちゃになりそうなものをかごの中に入れ、なにか話しかけたり、かいがいしく世話をしている。
明らかにオキシトシンが彼女の身体に充満している。
動物セラピーってすごいな、と感心することしきりである。