先日、母と次女と三人で東京に行ってきた。 次女が東京に転職することになったので、アパート探しにお付き合い。 両親はずっと東京に住んでいたけど、父が事故で寝たきりになってしまったので、夫婦そろってうちに転がり込んできた。 母は当初はよく東京の友達を訪ねていったものだが、ここ最近は足が不自由になり、全然行きたいとも言わなくなった。 父が亡くなって2年以上経ち、今回を逃したらもう行けなくなるかもしれないと思って、嫌がる母を無理やり連れて行った。 ドタバタした2泊3日の旅だったが、いろいろ感じることが多いものになった。 初日は母の友達の家に母を降ろし(押し付け?)、私たちは不動産屋さんへ直行。 速攻で満足のいったアパートを契約し、予備日にしていた2日目はフリーになった。 なので老人ホームに入っている母の友達を訪ねることにした。 なんとその友人は106歳になったという。 昔から知っている人だったので、どんな感じになってしまっているだろうとドキドキした。 コロナの影響で、窓越しの面会。 車いすで現れた彼女は、私の想像以上に綺麗なレディだった。 もちろん母のことは忘れてしまったようだが、決してわからないとは言わない。 スタッフのお姉さんが「長野から会いに来てくれたんだって」と言えば「まぁ長野から?ありがとう」と言ってくれる。 お花を渡せば「きれいなお花、嬉しいわ」とニコニコ笑っている。 表情がとても穏やか。 こんなに幸せそうな認知症の方がいることが驚きだった。 スタッフのお姉さんの対応もとても良かったので、いい施設なんだなぁ、と思った。 他のお友達もついてきてくれたので、スタッフの方に写真をとってもらってお別れした。 いろいろ忘れていくのは悲しいことに感じるけれど、本人にとってはそれほど辛いことではないのかもしれない。 ものを忘れていくと同時に、もともと持っている素の自分が出てくるんじゃないかな、とも感じてしまった。 日頃から気持ちよく過ごすことが、老後の快適さにつながっていくかもしれない。 認知症をむやみに怖がらず、前向きに考えよう、と思わせてくれた彼女との面会であった。