独りでいることの不安に耐え切れず

やって来た森の中

 

ここでも

私は独りのはずなのに

なぜか不安が薄らいでゆく

 

日の当たる小道を

ゆっくりと歩いて行くと

 

「ここは涼しいよ」と木漏れ日が教えてくれて

「ここは柔らかいよ」と落ち葉が話かけてくれた

 

見上げると

無数の木の葉が煌めきながら

心配そうに、私を見つめてくれた

 

ここは

独りぼっちの場所ではなかった

 

久し振りに、少し汗をかき

落ち葉に寝ころんで

木漏れ日を見上げると

 

森の優しい吐息が、私を包み込んだ

 

ゆっくりお休み、私に包まれて

目覚めたならば、吐息の雫で

唇を濡らしてあげるから

 

森の声が聞こえていた