「薔薇の名前」
  1986年/フランス、イタリア、西ドイツ
  監督:ジャン・ジャック・アノー
  原作:ウンベルト・エーコ
  出演:ショーン・コネリー、クリスチャン・スレーター

中世のある教会を舞台に謎の連続殺人事件解明に
のり出す中年の僧と見習修道士の姿を描く。

二時間飽きることなく画面にひきつけられた映画。
「黙示録」になぞられて起こる連続殺人事件の
謎解きやサスペンス部分はとてもおもしろかったが、
それだけではない深い所は、
正直、知識不足で難解なところがあり、
理解できなかったところがある。
観る者を選ぶ映画なのかも。


中世という時代背景や、当時の宗教や
異端の歴史など、暗黒の世界を奥深く

描いているので、このあたりのことに

詳しいと、また違ったおもしろさがあるのだろうな。


ショーンコネリーの渋い演技と
弟子のおびえた小鹿のような
演技が対照的だったし、くせのある
修道士たちの演技もうまく、
誰もが怪しく感じられた。



画面の暗さと登場人物の色見のない衣装も相成り、
全体に重苦しいトーンで包まれていて、
独特の雰囲気のある映像だった。



貧しい女と弟子のはかない恋のところは
とてもせつなかった。
交わるところはかなり大胆だったけど……。