【入門編】高円寺再開発計画とは何か? | 素人の乱5号店・店主日記
2018年09月13日

【入門編】高円寺再開発計画とは何か?

テーマ:シャッター商店街の逆襲!

高円寺再開発計画とは?

 

 東京都が戦後以降に作成した都市計画道路の一つで、高円寺南口の大通り(高南通り)をそのまま北へのばし、あろうことか純情商店街と庚申通り商店街を壊して大通りを早稲田通りまで繋げるというもの。実は80年代ごろには都が実際に計画を実行しようとしたが、当然のように高円寺住民の大反対運動が発生し、計画は見事頓挫!

 ところが、この都市計画というのは一旦できたらなかなか消滅しないもの。一旦は断念した東京都だが、この道路建設計画も中止ではなく一旦休憩ということに。そして、都は自ら実行に移すのではなく、杉並区にその業務を委託し、その道路計画を実行する管轄は杉並区に移っていた。

 そして、誰もが忘れていたかに見えたが、実は裏で着々と動いており、10カ年計画のようなものが次々と策定され、計画は密かに生きながらえていた。そして、実は2年前に東京都から改めてその再開発計画の10カ年計画の話があった時、杉並区はなんと「やりましょう」と余計なことを言って計画にOKしてしまっている(普通に「その計画もう要らないです」と言っておけばいいのに!)。もちろんOKしたからと言ってすぐに着工という訳ではないけど、おかげで計画を推進する方向で住民を説得するという状態になってしまった。

 余談だけど、その北口の大通り計画のさらにその北側、早稲田通りより北側(中野区の大和町)では、同じ東京都の計画道路としてすでに用地買収が始まり、道路建設は開始されている。これにより大和町中央通り商店街の古くからあった店舗は立ち退きでほぼ消滅しつつある。一応、タテマエとしては大和町側の工事は別の事業ってことになってるけど、「なるほど、じゃあ高円寺は安心だね!」っていうほど、うちら高円寺住民はバカじゃない。地図を見れば連動してることは一目瞭然。この大和町の道路が完成すると、高円寺北口の南と北に大通りが出来て、無言のプレッシャー状態になること必至!

 とりあえずこんなところが現状。

 

杉並区のホームページより。

具体的な路線はこんな感じ。駅前の入口からいうと、いきなり高野青果が消滅し、そのまま純情商店街へ侵入。そして突き当たりのあたりから左にずれて、肉屋JUMPをかすめる感じで庚申通りへ入り、そのまま亀でおなじみの田丸屋不動産に上陸、そのまま庚申通りに沿って早稲田通りまで。

 

 

 7つの恐怖! 高円寺再開発が起こるとどうなる!?

 

 さて、道路計画と言っても単に道が太くなって終わりではない。じゃ、この再開発計画でどんな影響があるのか!? とりあえず7つの恐怖を紹介!

 

【恐怖1】 重要な商店街がなくなる

 まず単純に、バカでかい道路ができるので物理的に今の状態の純情商店街と庚申通り商店街がなくなってしまう。北口で最も賑わってるしいい店のたくさんある二つの商店街をなくすのはもったいなすぎる!

 

【恐怖2】 高いビルが建ち並ぶ

 大きな道路を通すことによって、これまで制限されていた高いビルを建てることができるようになるので、雰囲気は一変。高円寺の良さでもあるゴチャゴチャした雰囲気がなくなってしまう。大通り沿いに壁のように立ち並び、日陰も多くなり、平和な高円寺っぽさの風景もだいぶ変わって来かねない。

 

【恐怖3】 家賃が上がる

 大きなビルが建つということは当然その面積も広くなるので、その分家賃は高くなる。大通り沿いということに加えて新築になるので、家賃が坪単価で考えてもさらに跳ね上がる可能性大! そうなれば、いま高円寺にたくさんあるような個人店はいよいよ難しくなり、チェーン店や中規模以上の店など高円寺らしからぬ店が増え、逆に商店街特有の小さい店舗は激減。というか、普通に家賃払うの大変なのにこれ以上上がるのは勘弁して〜

 

【恐怖4】 街が分断される

 大通りができると両岸で距離ができるのに加えて横断歩道しか渡れないので、街が東西に分断されてしまう。例えば環七の両側(中野側と高円寺側)で考えたらわかるけど、もう完全に別のエリアって感じ。高南通りや早稲田通り規模の通りですら両岸で距離感は生まれてしまう。高円寺北口のど真ん中に大通りが貫かれたら、街の商店街の陸続き感がなくなってしまうことは容易に想像ができる。

 

【恐怖5】 及ぶ影響は街全体に

 大きな道路ができても工事区域以外の他のエリアはこれまで通りかというと、そんなことはない。家賃が上がったり大通り沿いの店の雰囲気がガラッと変われば、その裏手の方も影響を受けないわけがない。便乗して建て替えや家賃の値上げも起こる。高円寺特有の謎の店や全然もうかってなさそうだけど面白い店などがいる隙は少しづつなくなってくる。

下北沢も吉祥寺も前は高円寺みたいな雑多なローカル感ある街だったけど、再開発が行われた後は、その工事区域以外でも様子はどんどん変わっていき、街の雰囲気全体がだいぶ変わって行った。

 

【恐怖6】 街がつまらなくなる

 高円寺が変に高級化してミニ新宿やミニ吉祥寺みたいになるんだったら、直接新宿や吉祥寺に行った方が早い。いま、他の街がどんどん開発で「普通の街」になって行く中、独特な高円寺の雰囲気がいよいよ注目を集め、日本中世界中から「うわ〜、こんな街あったのか!」と、“高円寺好き”が集まるようになって来ている。それに、他と同じ路線だったら近所の中野や吉祥寺に勝てるわけがなく、逆に中央線で一番つまらない街なんて言われるようになったら、それこそ事だ。もちろん新宿や吉祥寺のような街が要らないというわけじゃない。高円寺がそっちに行ってどうすんだってこと。どう考えても向いてない(笑)

 

【恐怖7】 面白い人材の流出

 いま日本の地方都市や、海外の各大都市では全く同じような問題が発生している。若い人たちが形成して来た面白い街や、昔ながらのいい感じの独特な街が、突然開発され高級化されてありきたりの商業地なって、もともといた人たちの居場所はなくなり散り散りに。例えばかつてドイツのベルリンはすごい面白い人やスペースがたくさんあり、かなりヤバい街だったけど、数年後に行ってみると「どんどん高級化して来たからみんなポーランドに行っちゃった」という。再開発され、家賃や物価も上がり、変わったことやってる奴らは次々と去って行った。これはアジア圏でも同じことで、面白い街や一角がどんどん開発されて貴重な人材を流出させている。高円寺はむしろ、その流失している最高に面白い人たちを受け入れて集めるぐらいの心意気で、いまの高円寺のよさをちゃんと突き進むのが高円寺的にも一番面白い方に行くはずだ。

 

庚申通りから早稲田通りを渡った大和町側。すでに道路建設工事は着々と進んでいた! いくら高円寺の計画とは別扱いと言われても、さすがにこれを見たら少しビビる。

 

写真中央奥の建物の向こう側が早稲田通りで、庚申通り突き当たりのみずほ銀行があるところ。ヤベー、高円寺側からは見えなかったけど、大和町側から見たらもう道路目前じゃん!!!!

 

 なぜいま再開発反対なのか?

 

 いま、高円寺の再開発計画は、用地買収や工事着工などの目に見える形では進んでいない。ただ、例の10カ年計画はゆっくりだが動いており、要は根回し中という状態。根回しが完了するまでは実行しないという事だが、計画実行案が登場したときはすでに手遅れの場合が多い。例えば10年ほど前に大きな問題になった下北沢の再開発も同じで、再開発案が登場した後で大きな反対運動が起きたけど、結局押し切られる形で開発は実行されてしまった。昔を知る人から「昔の下北はよかったよ〜」という話を1000回ぐらい聞いたことがあるけど、そうなってからでは手遅れなのだ。それに、役所や国としても一度実行を決めてしまえばさすがに引っ込みがつかないという気持ちもわかる。という事で、再開発の実行計画が決定される前が肝で、いま「そんなもの要らないよ」という声が必要なのだ。

 ちなみに80年代の当時は、店をやってる人とその土地を持ってる人が一致してるところが多かったので、計画の登場後に文句を言って頓挫させることができたが、今や店をやってる人と大家さんは別というところばかり。商店主には寝耳に水でも大家さんとは話ができてたなんてことになったら、それこそ手遅れ。高円寺の街に理解のある大家さんならいいけど、高円寺の街には一切興味ない人や会社が大家さんだったら金のためだけにすぐ土地売っちゃうかもしれない。

 ということで先手必勝! いまのうちに住んでる人や店や事務所とかやってる人、いまの高円寺の街が好きな大家さんなどの「いやいや、高円寺はいまの感じが面白くていいから」という声が見えるようにしておくのがいい。高円寺にその空気感が充満しているうちは、とてもじゃないけど開発計画など実行に移せないし、それが続けば杉並区も東京都に対して「すいません、この計画やっぱり要らないです」と言い出すに違いない!

 

 

 

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