「山川惣治」
『少年王者』『少年ケニヤ』の絵物語作家
三谷 薫・中村 圭子:編
河出書房新社(らんぷの本)/2008.3.20/1600円
昭和20~30年代を中心に活躍した、
「少年王者」や「少年ケニヤ」で知られる絵物語作。
冒険・愛・ロマンで戦後日本を勇気づけた
名作の数々を一挙紹介し、その画業をたどる。
生誕100年記念出版。
<帯より>
子どもの頃から、
「道にロウセキで絵を描けば、
見物の人だかりができた」というほど
絵がうまかった山川惣治。
だが、当時は絵描きのイメージは悪く、
父には絵の勉強はさせてもらえなかったそう。
それでも、画家への夢をあきらめきれず、
夜学で画学校に通ったり、新聞にマンガ投稿
をしたりて、絵の勉強を続けていた山川惣治。
そんな「絵」への熱い思いはどの作品にも
反映されている。
「絵物語」というジャンル。
力強いタッチの絵は、
今にも飛び出してきそうなほどの
躍動感にあふれる。
紙芝居に始まり、レコード紙芝居というジャンルでも
活躍。
冒険活劇は、絵本だけにとどまらず、
様々な形で少年たちにとどけられ、
夢と希望と勇気を与えたことだろう。
昭和七年ころから子ども向けに、
語りと 伴奏音楽が録音された
レコード盤とハガキ大サイズの絵がついたもの
雑誌『少年』(光文社)に掲載。
密林とか、海などの舞台が多いが、
これは牧場もので、インディアンと
白人の戦いが繰り広げられる。
山川作品にしては、珍しく
主人公の死をもって物語が終わるった
のだとか。