「子どもの本の書き手たち | 月灯りの舞

月灯りの舞

自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記

「子どもの本の書き手たち
   34人の作家に聞く」
  全国学校図書館協議会編
   2,625円/全国学校図書館協議会/1999.8

絵本かきて
現在活躍中の子どもの本の書き手34人のインタビュー集。
「学校図書館速報版」(1994.4.15号~1998.12.15号分)の
「会いたくて、インタビュー」をもとにまとめたもの。
子どものころの話や作家になるまでの苦労、
作品が生まれたエピソードなどのほか作品リストも掲載。
               <はじめに より>


見開きで右側に著者のモノクロの大きな写真。
みなさん本当にいいお顔をされている。
その写真の下にプロフィール。


そして、左ページから2ページに渡って
インタビューをまとめたものが書かれている。
なるべく著者のナマの言葉で書いていると
インタビューをされた方は書かれていた。
そして最後のページに作品リスト。


日本絵本大賞を受賞作「しらんぷり」という
“いじめ”を描いた作品を描かれた梅田ご夫妻。
「半人前どうし、ふたりでやっと一人前です」という
優しい笑顔のお二人は、子どもの心をわかろうとする
思いが伝わってくる。
いじめという重いテーマを直球でぶつけるため、
余計なものを削ぎ落として一色で描いたという。




児童書のイラストレーターとしてご活躍されていたが、
若年性糖尿病で失明し、児童文学作家に転身した
エム ナマエ氏
ペンネームの“エム”は、ポエムのエム、
ほほ笑むのエム、絵に夢とかいてエムなど
の意味がこめられているとか。


「盲目であることは作品を生み出す推進力にはなっても
決して邪魔になるものじゃない」と強く語られていた。
「かつて、先輩たちがすばらしい世界をプレゼントして
くれたように、今度は自分が送り手になることによって
子どもたちがいい人生を生きてくれたら」とも。


それぞれの作家さんたちは、やはり子どもの頃から
絵を描くの好きだったとか、描くことしかなかった、
書くことで自分を出していたという人が多い。
そして、何より絵本の世界が好きで、
子どもに何かを伝えたいという想いにあふれている。

創作を目指す身にとって、あこがれの存在であり、
刺激にもなった。