《5月といえば...②》『夕方らせん』から「小夜鳥姉妹」 | 富田林・じないまちの 本と雑貨 『緑の小道』日記

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富田林市には大阪府唯一の重要伝統的建造物群保存地区の寺内町があります。古本&雑貨屋店主の日々の雑記や愛読書紹介のブログです。2021年に母を亡くした後から苦しい日々となり、心はまだ鬱状態で動悸もありしんどいですが、毎日なんとか乗り越えてます。




小道店主が 5月といえば思い出す

言葉やお話のシリーズ ②。


①も まだの人は お読み下さるとうれしいです。




5月といえば 思い出すお話。



銀色夏生さんの 創作の短いお話集


「夕方らせん」の中から─


『小夜鳥姉妹』(さよどりしまい)。





(※ 今回の写真の本は 私物です。

すみませんが 今 販売用はありません。)



.......これは 5月で始まり、5月で終わる、

風変わりなお話。


短いお話だけど、

始めと終わりでは 20年の歳月が流れている。


私がこれを初めて読んでからも

いつのまにか もう25年も経ってしまった....。



『小夜鳥姉妹』は 今でも好き。


今も変わらず、主人公の鳥子に 心惹かれる。


私は 鳥子のように女優ではないし、

絵も描かないし、

笑わない人ではないけれど、


鳥子という人に どこか少し

自分を重ねているのだと思う。


作者と、作中人物と、読者(自分)。


これらが リンクして 重なり合うような感覚をおぼえる。


好きなお話の世界に入っている時。



私はもう小説とかはめったに読まないけれど、たまに そういう感覚に浸る時間を

とても貴重に思う。



『....鳥子は 胸の中にチロチロもえる炎を抱いて 風の中を進んでいった。』


..(本文より)


こういう表現も、大好き。


この『夕方らせん』の中では、

他にも「若草のつむじ」などが好きです。



お部屋の窓を そっと開けて....

さわやかな風を入れて

読んでみられるといいでしょう。


木漏れ日が ゆらゆらと入る部屋であれば、

なお、いいです。



...※ 過去に書いたものを参考にして書きました。もう何度も紹介しているのです。