うれしいこと半分、つらいこと半分。 | 富田林・じないまちの 本と雑貨 『緑の小道』日記

富田林・じないまちの 本と雑貨 『緑の小道』日記

富田林市には大阪府唯一の重要伝統的建造物群保存地区の寺内町があります。古本&雑貨屋店主の日々の雑記や愛読書紹介のブログです。2021年に母を亡くした後から苦しい日々となり、心はまだ鬱状態で動悸もありしんどいですが、毎日なんとか乗り越えてます。



4月頃に 書こうと思って
ずっと書きそびれていた記事を、書いておきます。

写真も、季節はずれになってしまったけど、その時つけようと思ってた、
スミレの写真を使います。


春、めずらしく早起きできた朝に発見した、うす紫のスミレ。

朝日をあびて...とても 可憐でした。






10数年も前のことですが、
アニメ 「十二国記」 をけっこう見ていました。

その中で、ある登場人物の言っていたセリフを、私は よく思い出します。

だいたい、こんな感じでした。


『...これだけは おぼえておきなさい。
生きるということは、
"うれしいこと半分、つらいこと半分"なのですよ。

ある人が幸せそうに見えるのは、
その人が恵まれているからではなく、
ただ その人が 幸せになろうとしたからなのです。

苦痛を忘れる努力、
幸せになろうとする努力、
それだけが
人を 真に幸せにするのです。』


アニメ「十二国記」より
(原作 小野不由美)


名言です。

誰かのことを、いいなぁ、うらやましいなぁ...と思ってしまうような時にも、
この言葉を思い出していました。


人は、物事の表面しか見ていないことが
本当に多いのです。

想像力、物事を深く見る力、洞察力などが あまり備わっていない大人が多くなっている と感じるのは 私だけでしょうか。(...エラそうにね...)

それは、読書しない人、思索しない人が増えてしまってるから?なのでしょうか。

けれど私は、子供の頃 すでに、
《大人というのは どうしてこう、
何事も勝手に決めつけるんだろう??》と、疑問と反発を抱いていました。


...「こんなかわいいお店ができて、いいなぁ~」
「かわいい物(好きな物)に囲まれて、幸せやねぇ~」
などと 言われたことがありますが、
じつは、そう言われるのが、
ちょっと苦手です。
(言い方にもよるのでしょうね)

ずっと続けられる保証がない、ということもあるけれど、
まず、物はほとんど売り物だし、
私は、物に囲まれることが幸せなのではないですから。

そして このお店をやるのにかかるお金と労力、商売に向いてない環境のことなどを思うと...(苦笑)

そして、何より、幸せは他人から決められるものではありません。

"アナタ、幸せだと思わなきゃいけませんよ"的な、押し付けのようなニュアンスを感じた時に、困惑するのですね。

それに このお店は、降って湧いたものではなく、誰かから継いだものでもありません。

6年前の、準備の時も、中があまりに傷んでいるので、入るたびに暗い気持ちにもなっていました。
自分できれいにする費用がないので。
(けっきょくいまだに改装はできてませんが...)

それを、今のように、かわいいとか
心地いいとか言ってもらえるようになるまで、なんとか(ごまかして)つくってきました。

とにかく、自分は むやみにうらやまれるような境遇じゃないと思っています。

でも、このお店をつくれた《幸運》を
本物にしていこうとしているところです。

そして ひとつの大事な発見は、
店主が
"アナタは幸せですね"なんて言われてるようなお店では、まだまだダメだなあ...ということです。

本当にすてきだと思うお店に入ったら、圧倒されて、そんな言葉は出てこないですよ。

逆に、"幸せな気持ちになれました"と言ってもらえるぐらいでなければ。


...話がそれてしまったかもしれませんが、十二国記のセリフはすばらしいと思います。

幸せは、なるものではなく感じるものではあるけれど、
希望をもって歩き出そうとする努力、
望む自分に近づこうとする努力のことをおっしゃってるのだな と。

他人の努力の部分は見えにくい。

せめて、それをいつもわかっている人でありたい。