『急がない』『求めない』 | 富田林・じないまちの 本と雑貨 『緑の小道』日記

富田林・じないまちの 本と雑貨 『緑の小道』日記

富田林市には大阪府唯一の重要伝統的建造物群保存地区の寺内町があります。古本&雑貨屋店主の日々の雑記や愛読書紹介のブログです。2021年に母を亡くした後から苦しい日々となり、心はまだ鬱状態で動悸もありしんどいですが、毎日なんとか乗り越えてます。



火曜日。店内で用事しながら開店中。


オープンした2012年からずっと、
新しく入った本は
ほぼすべてノートに記録をとり、
水やアルコールスプレーやティッシュや消ゴム等を使ってきれいにして、
値札にもタイトルを書き、
売れた時にはまたいちいちタイトルをノートに記入します。

その上、全部ではないけどPOPも書き添えたりと、手間のわりに、もうけなし(笑)


こんな、静かすぎるほど静かな、
富田林の寺内町(じないまち)で
店内にいますと、
どうも、店主もきっと始終
ゆったりのんびり暮らしてる人だと思い込まれてしまうようですが、
とんでもない、とんでもない!(笑)

最近はあまり家にいられないですが
時間の使い方のうまくない私は
家にいようがどこにいようが、常に心は急いでいます。

"やらなくちゃいけないこと"
"次にやるべきこと"で、心がいっぱいで..。

朝起きてから、店に来て開店準備が終わるまでの時間はとくに、常にあせってしまっていて、いい心の状態とは言えません..。

毎朝家族のお弁当作りなどをされてる主婦の方とかはもっとすごく大変だろうなぁ..なんて思います。


さて、そんな私ですが、
以前に見て、とても気になっていた本を、買ってみました。


葉 祥明さんの

『急がない』

(日本標準)





写真、左の本です。
表紙も素敵。

葉さんが 少しずつ語りかけてくれる詩のような形式。

すぐに読めるけど、
それこそ、急がず、
何度もゆっくり読み返したくなる本。


葉さんは言います、

どんなに急いだって、
やるべきことはなくならないし、
忙しさもなくならない。

片付いたように見えても、生きている限りそれは続く。

思いきって少し立ち止まってみると、
自分の心が自分を忙しくさせているだけだ と気づく、と。

やったことの成果も、急がずに待ってみよう、と。

何事にも、然るべきプロセスとかリズムがあって、
"その時" が来るのを、待つしかないってこともあるのだと。

つぼみを無理に花開かせることはできないように..。


急がず、あわてず、落ち着いて、
けれど身体はすばやく、てきぱきと。

これができたら最高と思います。


この本も、持っていたいぐらいですが、
いちおう販売します。
600円


そしてもう1冊、写真右の本は、

加島祥造さんの

『求めない』です。

(小学館文庫)

この表紙の絵もとてもいい感じです。
安福望さんのイラスト。

2007年に単行本が出て、当時話題になってた本だったと思います。


人間はどうしても
何かを「求める存在」だということを、
よく承知の上で、書かれた本です。


私はこの店、そしてさらにこのブログを始めてから、知らぬ間に、
どんどん"求める"人になってしまって、それで (いいこともあるけど)しんどいことも色々出てきてしまったんだな..と思います。

どれだけ、思うようにいかないことの連続だったことか..。

コミュニケーション能力がイマイチなので、人に誤解されることも多いかもしれませんが、
誤解されることがとても嫌なので、
"ほんとのことを理解してもらうことを求め"てしまったり..。

"求めない"境地まで行き着くのはまだ難しそうです。

でも、最近は、やることをやったらもう反応は求めない、
というか、気にしない、
というふうに少しはなれてきた気がします。


でも
急いでいる時って、何かを忘れてしまうことが多いです。
話し忘れること、渡し忘れるものなども出てきます。
もともとは記憶力のいい私も、
さすがに最近は記憶力の低下を感じます..。

"自分に完ペキを求めない"ようにするといいのでしょうか。

そして、
しばらく"求めない"を意識して生活してみても、なお、
どうしても求めてしまうものがあるとするなら――
それについてはちゃんと向き合う必要があるような気がします。

それをみつけてみるのも面白いかもしれません。


この本は、いまのところ、自分用にしておきます。

また手に入れば販売したいです。


...それにしても、
本については(値段が)"高い"とかいう言葉をよく聞きますし、私もつい言ってしまったりしますが、
1冊の本が作られ販売されるまですごく多くの人が関わり、
本によっては本当に、深い叡知や希望や安らぎを与えてくれるというのに、
こんなふうに古本だと数百円で買えたりするというのは
ほんとうは安すぎるぐらいなんじゃないか??

と、真剣に思ったりします。