イバラードと井上直久さんのこと | 富田林・じないまちの 本と雑貨 『緑の小道』日記

富田林・じないまちの 本と雑貨 『緑の小道』日記

富田林市には大阪府唯一の重要伝統的建造物群保存地区の寺内町があります。古本&雑貨屋店主の日々の雑記や愛読書紹介のブログです。2021年に母を亡くした後から苦しい日々となり、心はまだ鬱状態で動悸もありしんどいですが、毎日なんとか乗り越えてます。


このブログでは自分の好きなものについて書いてきてますが、まだまだ、書けてないことがたくさんあります。

むしろ、あまりにも好きなものや特別なことについては なかなか書けなかったりします。

井上直久さんとイバラードについても
ずっと書けなかったし、
日常でもめったに他人に話したことがありません。
約20年もの間。

でももう解禁しようと思います。


今年も、阪急うめだでの絵画展の案内が届きました。




2月22日~28日
阪急うめだ7階美術画廊


知らない方のために...

井上さんは、
ジブリの「耳をすませば」の中に出てくる、バロンの物語の背景画を描かれた人...といえばわかってもらえるでしょうか。


初めて本屋で『イバラード博物誌』を開いた時の、あの衝撃...!

私はまだ10代でした。

すばらしい出逢いでした。

井上さんに初めてお目にかかれたのはそれから約10年後でした。


細かい話は省きますが...

持ってる本です



絵本『イバラードの旅』架空社

『イバラード博物誌』シリーズⅠ~Ⅴ


Ⅵの『思い届く日』は、これ




去年の絵画展で、井上さんと少しお話できました。

この画集も置いてありました。

ページをめくると、はじめに、
井上さんが若い頃に描かれた絵があります。
そこには、こんなことが書かれてます。


「..どこかに私を待つ場所があり、

そこにはきっと、

私の憧れる全てがあると

胸ときめかせていました。」

(井上直久『思い届く日』より)


これはまさに、
若い時の私の気持ちと同じで(私は今もそんなふうな感じですが)、

とにかくとても共感したのだと、
井上さんに伝えました。

すると、井上さんはおだやかに、
こんなふうに私におっしゃいました。


"あぁ、そんなことを書いてたんですね。
..でもね、今思えば、

《ここ》(現実世界)が《その場所》でしたね。

(好きな絵を描けて)、女房はよくしてくれるし、孫にも恵まれて...
(もう言うことはないです)"


"好きな絵を描けて"と
"もう言うことはない"の部分は、
はっきりおっしゃったかは忘れましたが、私には、そういう、
井上さんの満ち足りた思いがしっかり伝わりました。

なんて素敵な紳士でしょう...と、
お人柄にも惚れ直してしまいました(笑)

そして、そんなに満ち足りていながら、とどまることのない創作意欲!


どこか得体の知れない
遥か遠くではなく
《ここ》 こそがその憧れの世界・自分の世界だとはっきり言える、
そんな日が私にも来るのでしょうか...?

それはわかりませんが、

とにかく、イバラードの世界は、
私にとって、もう圧倒的で、素晴らしすぎて、
"これさえあればいい" というような、
それぐらいの世界です。

奇想天外でありながら、懐かしく、美しい...

誰にも表現できない、
魂の故郷のような世界を、
目に見える形にして下さって、
井上さんに本当に感謝しています。


25日の午後2時~のトークでは、
宮崎駿さんとの出会いのお話などもされるそうです。(予約不要)

行ける人がうらやましい!

私は別の日にうかがうでしょう。

気になった方はぜひお出掛けください。