ロジャー・デュボアザンさんの絵もけっこう好きなんですが、
最近みつけたこの絵本。
(販売します。)
大人2人に読み語りしました。
『かえでのジョニー』
アルヴィン・トゥレッセルト 文
ロジャー・デュボアザン 絵
童話館出版
本の中で 3回繰り返される このフレーズ。
『かえでのジョニーには、
よく わかっていました。
ここは、世界じゅうの ほかのどこよりも
今の自分にとって、
かけがえのないところだ
ということが。』
《今》・《ここ》・《自分》というもので 満たされている。
はじめから終わりまで..。
とても悟っているなぁ...という印象。
記事にもしました、去年のクリスマスに読み語りした傑作絵本、
佐野洋子さんの『わたし クリスマスツリー』
この内容がまだ記憶に新しい私は、
なんだか対照的に感じました。
あれは、モミの木の女の子が、
《ここではない どこか》、《今の自分とはちがう自分》に、ひたすら憧れて 突っ走るお話でしたから――。
もちろん、どちらが いいとかわるいとか言うつもりは全くありません。
『かえでのジョニー』は美しい絵本だと思います。
私たちは、生まれたばかりの頃には、
このジョニーのように、
ただ自然のまま、
自分を生き、
とても満ち足りている状態なのかもしれません。
一生という旅路の終わりまでに、
また そのような状態に戻ってみたい....
自分の中のそんな願いに気づかせてくれるような...絵本でした。
けれど...、
見果てぬ夢を追いかける、あのモミの木のような存在も、
人間くさくて、
愛しくて、大好き。(笑)
今の私の心は、そんな感じです。
1冊の本をゆっくり味わうって 大事です、ほんとに。
いろいろ読めば読むほど、楽しくなってきます。
それに気づいたあなたを、寺内町の片隅で
お待ちしています。