夜、子どもたちを寝かしつけたあと。

スマホのメモ帳を、何度も開き直していました。

そこに残っていたのは、ある方から届いたメッセージ。

「もっと学びたいけれど、支払いが残っていて、次に進むのを諦めるしかない」

そう綴られた文章を、何度も読み返していました。

自分のことを言われたわけじゃないのに、胸の奥がぎゅっと痛くなりました。

だって、その気持ちには、覚えがありすぎたからです。

学びたい気持ちはあるのに、財布の中身がそれを許してくれない。

そのギャップに、何度も心が折れそうになった夜が、私にもありました。

「ここで止まったら、もう追いつけないかもしれない」

そんなふうに、焦りだけがどんどん膨らんでいく感覚。

でも今なら、あの頃の自分にひとつだけ伝えられることがあります。

進めない期間は、止まる期間じゃなかった。

それは、今持っているものを使い切る期間だったんだ、と。

 

学びたいのに、お金が足りなくて動けなかった頃

正直に書きます。

私にも、一番お金がなかった時期がありました。

3人目が生まれたばかりで、支払いはいつも先に決まっていて、残ったお金でその月をやりくりする毎日。

哺乳瓶を洗いながら、頭の中では今月の支払いの順番を組み立てている。

そんな状態で、新しいことに使えるお金なんて、正直ゼロに近かったんです。

新しい講座も、気になる勉強会も、画面の向こうで誰かが楽しそうに参加しているのを見て、指をくわえて眺めることしかできませんでした。

参加している人たちの投稿を見るたび、置いていかれるような焦りだけが募っていきました。

「また今回も見送りか」

そうつぶやいて、スマホをそっと閉じる夜が何度もありました。

車で15分のコンビニに、公共料金の支払いに行くだけの日。

冬の暗さの中、ヘッドライトだけを頼りに帰ってくる道すがら、ふと涙が出そうになったこともあります。

お金がないことは、恥ずかしいことなんじゃないかと、当時の私は本気で思っていました。

誰かに知られたら、頑張っていないと思われるんじゃないか。

そんな不安のほうが、実際の家計のやりくりよりも、ずっと重くのしかかっていた気がします。

レジで合計金額を見て、カゴの中身をひとつ戻したことも、一度や二度じゃありません。

そのついでに、スマホの中で気になっていた勉強会の案内も、見なかったことにして閉じていました。

「今の私には、まだ早い」

そう自分に言い聞かせるたびに、本当は「今の私には、お金がない」だけなんだと、うすうす気づいていました。

言い訳のほうが、正直な気持ちより、ずっと言いやすかったんです。

でも今振り返ると、お金がないことと、頑張っていないことは、まったく別の話でした。

あなたにも、そんなふうに「進みたいのに進めない」と感じた夜、ありませんか。

 

 

「止まる期間」じゃなく「使い切る期間」だと気づいた瞬間

そのメッセージを読み返しながら、私は自分に問いかけていました。

「あのとき、私はどうやってここまで来られたんだっけ」

思い返してみると、支払いのめどが立たなかった数か月、私は何も進めていなかったわけじゃありませんでした。

新しいものを買えなかっただけで、手元にはすでに、たくさんのものが積み上がっていたんです。

「次に進めない」と「何も進んでいない」は、実は違うことだった。

そう気づいたとき、肩の力がふっと抜けました。

止まっているように見える期間は、実は次の準備をする期間に変えられる。

そのことに気づいてから、私は同じようなメッセージをもらうたびに、こう伝えるようになりました。

進めない今は、今持っているものを使い切る期間にしてみませんか、と。

具体的にどうしたか、3つに分けて書いていきます。

工夫1:「もう払ったもの」を使い切っていないことのほうが多い

まず見直したのは、すでに手元にあるものでした。

過去に買った教材、参加した勉強会の録画、そのときに走り書きしたメモ。

正直に言うと、私はそれらのほとんどを、開き直していませんでした。

新しいものが出るたびに気になって、次から次へと目移りしていたんです。

「これも学ばなきゃ、あれも知らなきゃ」

そう思うほど、手元のものはどんどん置き去りになっていきました。

新しいものを追いかけるほうが、なんとなく前に進んでいる気がしていたんです。

でも実際は逆でした。

すでにお金を払って手に入れたものの中に、まだ使い切れていない中身が、山のように残っていたんです。

冷静に振り返ると、もったいない話でした。

 

 

だから私は、新しいものを探す前に、まず古いフォルダを開くようにしました。

パソコンの中に眠っていた録画を、家事の合間に少しずつ見返す。

洗濯物をたたみながら、耳だけで聞き流していたこともあります。

過去のメモを読み返して、当時の自分が「大事」と書き込んだ箇所に、もう一度線を引き直す。

正直、開く前は気が重かったです。

「今さら見返しても、もう古い内容なんじゃないか」

そんなふうに思っていたからです。

一度は削除しようかとまで考えたフォルダもありました。

でも実際に開いてみると、当時はメモしただけで終わっていた部分が、意外なほど多いことに気づきました。

たったそれだけのことでしたが、驚くほど発見がありました。

「あのとき理解できなかったことが、今ならわかる」

そんな瞬間が、何度もありました。

新しく払わなくても、進める道はすでに手元にあったんです。

あなたのパソコンやノートの中にも、まだ開いていないものが眠っていませんか。

一度でいいので、古いフォルダの中を覗いてみてほしいなと思います。

工夫2:お金の代わりに払えるものが2つある

次に気づいたのは、お金がなくても、代わりに差し出せるものが2つあるということでした。

ひとつは時間、もうひとつは行動の回数です。

田舎に住む私にとって、夜9時を過ぎるまでは、自分のための時間はほとんどありません。

子どもたちのお風呂、宿題の丸つけ、明日のお弁当の下ごしらえ。

三人分の荷物と明日の予定を頭の中で整理しているうちに、気づけば夜9時を回っていることがほとんどでした。

すべてが終わって、ようやく静かになった夜9時から10時までの1時間。

その1時間を、私は「学ぶ側」から「手を動かす側」に使うようにしました。

インプットを増やす代わりに、今持っている知識で実際に手を動かす時間に変えたんです。

見て終わりにしていた投稿の作り方を、実際に自分の手で真似して作ってみる。

メモに残していたやり方を、実際にひとつだけ試してみる。

うまくいかなくても、それでよかったんです。

お金を払わなくても、時間と行動の回数さえ差し出せば、前に進める部分はちゃんとありました。

正直、最初の数回は全然うまくいきませんでした。

書いても消して、作っても直して、その繰り返し。

「こんなに時間をかけたのに、これしかできないのか」

そう落ち込んだ夜も、正直ありました。

それでも布団に入る前に、その日やったことだけは手帳に一行だけ書き残すようにしていました。

でも5回、6回と回数を重ねるうちに、少しずつ形になっていく手ごたえがありました。

振り返ると、うまくいかなかった回も、ちゃんと次につながっていたんです。

払えるお金がなくても、払える時間と回数はある。

そう思えたことで、気持ちがずいぶん楽になりました。

工夫3:稼いでから学ぶ、の順番に変えていい

最後に手放したのは、「学んでから稼ぐ」という順番へのこだわりでした。

それまでの私は、ちゃんと学んでから、ちゃんと形にしてから、じゃないと動いてはいけない気がしていました。

でも、支払いに余裕がないときは、その順番を逆にしてもいいんだと気づいたんです。

まずは今持っている知識と経験で、小さく1つだけ売ってみる。

その分で、次の学びに充てる。

「そんな小さなものを、お金にしていいのかな」

最初は、値段をつけること自体に、ためらいがありました。

金額の大きさは関係ありませんでした。

大事だったのは、金額の桁じゃなくて、「自分の手で次の分を用意できた」という事実そのものでした。

小さくても、自分の力で次のステップ分を用意できたという経験そのものが、気持ちを軽くしてくれたんです。

 

 

「学んでから」じゃなくても、大丈夫だったんです。

順番を変えただけで、止まっていた足が、また前に動き始めました。

学んでから売るのが正解だと思い込んでいたぶん、この順番の入れ替えは、私にとって大きな発見でした。

不思議なもので、先に小さく売ってみると、次に何を学べばいいのかが、以前よりくっきり見えてくるようになりました。

漠然と「もっと勉強しなきゃ」と焦っていたときより、必要なものだけをまっすぐ選べるようになった感覚があります。

あなたも、「学んでから」の順番に、知らないうちに縛られていませんか。

 

 

でも、お金をかけないと結局遠回りになりませんか?

ここまで読んで、こう思う方もいるかもしれません。

「お金をかけずに進めても、結局は遠回りになるんじゃないですか」

正直、私も同じことを考えたことがあります。

新しいものを学べば、もっと早く、もっと確実に進めるんじゃないか、と。

でも、実際に自分でやってみて分かったことがあります。

遠回りになるかどうかを決めるのは、お金の有無じゃなくて、手を止めるかどうかなんです。

高い費用を払って学んでも、忙しさを理由に開かないままのフォルダがあれば、それは進んでいないのと同じです。

実際、私自身にも、そういうフォルダがいくつもありました。

払った金額を思い出すたびに、開かないまま放置していることへの罪悪感だけが積み重なっていく。

そのほうが、よほど遠回りだったと今なら思います。

反対に、手元にあるものを何度も見返して、実際に手を動かし続けていれば、それはちゃんと前進しています。

もちろん、これから先、必要なタイミングで新しく学ぶことは、私も今でもあります。

ただそれは、「お金がないから止まる」の代わりではなく、「今のものを使い切ったから、次に進む」という順番の中にある選択です。

順番さえ間違えなければ、遠回りにはなりません。

急いで新しいものに手を伸ばすより、今持っているものを使い切るほうが、結果的に近道になることもあるんだと、今の私は思っています。

それに、今のものを使い切る過程で、「本当に次に必要なもの」が、前よりはっきり見えてくることもあります。

漠然と「学ばなきゃ」と思っていたときより、ずっと的を絞って選べるようになるんです。

だから、お金が続かない今この瞬間を、焦って埋めようとしなくて大丈夫です。

最後に

 

 

あの夜、メッセージを読み返しながら胸が痛くなっていた自分に、今なら伝えたいことがあります。

進めないことは、あなたが頑張っていない証拠じゃないよ、と。

もう払ったものを、もう一度開いてみること。

お金の代わりに、時間と行動の回数を差し出してみること。

学んでから稼ぐ、じゃなくて、稼いでから学ぶ順番に変えてみること。

この3つだけで、止まっていた足は、また動き出します。

派手な近道じゃありません。

地味で、時間もかかります。

それでも、止まっていたときよりずっと前に進んでいる感覚が、確かにありました。

お金が続かない夜があっても、それはあなたの努力が足りないからじゃありません。

むしろ、そこで立ち止まらずに何かを探そうとしている時点で、もう十分がんばっていると思います。

もし、私が実際にどう使い切ったのか、もう少し詳しく知りたいと思ってくれたら。

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「今の自分に合いそうだな」と感じた方だけ、覗いてみてください。

お金がなかったあの頃の私にもできたことです。

きっと、あなたにもできます。