僕には、闘病中の健闘と回復をただ祈る事しか出来ない。

この記事は2344文字です。（読破予想時間：約5分34秒）

今月に入って、電話が繋がらず、ネットにも繋がらないと言う事態が起きたり、数カ所の病院へ行く事になったり、いろいろあって更新が止まってましたが、取り敢えず、ネットと電話の問題は何とかなりました。

うちは光電話なんですが、電話もネットも繋がらなかった原因は、NTTからリースしているルーターが故障していたせいだった様で、交換して貰って完全に解決です。

それでは本題ですが、以前、僕が通う美容室とそのオーナーについて書いた事があります。

◇今日はいつもの美容室

『今日はいつもの美容室』
この記事は915文字です。（読破予想時間：約2分10秒）今日は、髪の毛を切ってカラーリングをしてきた。今の美容室はどうやら、通い始めて20年くらいになるようだ…

そのオーナーさんについて、書こうかどうしようか迷ったのですが、自分の脳内を一度プロットしない事には、他の記事も書けそうにないので、書く事にします。

昨日、いつもの様に、その店に行ってきた。

今回は、前回からずっと気になっていた事があったので、少し緊張しながら店に向かった。

と言うのも、前回、その美容室を訪れた時の話だ。

いつも僕の髪を担当してくれているオーナーが店にはいない。

オーナーに変わって髪を切ってくれている若い男の美容師さんの話によると、オーナーの体調がすぐれないと言う事らしい。

そうこうしながら時間が過ぎた時、そのオーナーが髪のカラーリングを手伝いにやってきたのだ。

確かに、けっこう痩せているし、けほへほと咳もしている。

彼女は、「咳はしてるけど移る病気じゃないから安心して」と僕に言った。

その時、僕の頭に中には、ほぼ確信に近い形である病名が頭に浮かんだ。

それは「肺がん」である。

オーナーに少し話を聞いてみたが、実は今は入院中で病院を抜け出して店を手伝いに来てると言う。

そして、何の病気かはまだはっきりしていないと言うのだ。

ならば何故、移るか移らないかそこまで明言出来るのだろう。

話が矛盾している。

僕はその時、オーナーが話をごまかしたと一瞬で悟ったので、それ以上追求するのはやめたのだが、より一層、さっきの病名が確信に近付いた気がした。

それから丸三ヶ月以上を過ぎて、久しぶりに店に予約の電話を昨日入れたのだが、電話にはオーナーは出ず、対応してくれたのは、前回髪を切ってくれた若い美容師さんだ。

そこでも、オーナーの病状などが凄く気になる。

そして昨日、店に行ってみると、カウンターに彼女がいたのを見て、本当に安心してその時思った事をストレートに書かせて貰うと「良かった、生きてた！」と言う事だ。

しかし、いつもの彼女より精気はなく、病み上がりのせいかとも思っていた。

あれから、三ヶ月を過ぎて普通に店に出て働いてるのだから、どうやら肺がんではなかったのだな。

僕はその時、そんな風に思った。

しかし、彼女に結局、何の病気だったのかを聞いてみると、その答えはドンピシャの「肺がん」と言う答えだった。

正確に言うと、大腸がんから肺に転移した状態が既に前回来店した時の状態だったらしいのだが、その時で既に医者からは「余命三ヶ月」を言い渡されていたらしい。

そして彼女は僕に「既に三ヶ月過ぎてるけどな」とあっけらかんと言い放った。

今現在は、抗がん剤の治療などもやめているらしい。

と言っても、決して諦めている訳ではなく、いろいろ探っている最中らしいのだ。

今の店に行き始めたのは、20年近く前で、当時、彼女には小さな娘さんが一人いたのだが、その子が来年、成人式を迎えると言う。

その時の旦那さんとは、後に離婚をする事になるのだが、再婚後に子供が数人生まれて、今では、けっこう子沢山だ。

そして、一番上の娘さん以外は、まだみな幼く、彼女は何としても生きねばならないと言う思いがきっと強い筈だ。

あらゆる人間関係をリセットした様な状態で生きる僕の中では、彼女は、存在感が大きな人だ。

向こうからすれば、古いお客さんに過ぎないのかもしれないが、僕の中では、単なる客と美容師と言う感覚ではない。

前回も書いたが、勿論、恋愛感情だの男女だのと言うものとは無縁の感情だ。

しかし、こんな時の自分は本当に無力だと感じる。

月並みな言葉をかけたって仕方がない。

何とか、病気に打ち勝って欲しい。

僕に何か出来る事はないだろうかと考えてみる。

何も思い浮かばない。

僕は言霊について何度もこのブログで触れてきた。

言霊と言うのは、本当に物凄く力を宿すもので、放った言葉がいろんな所に影響したりするものだ。

だから、縁起でもない事は言うべきではない。

そんな思いもあって、終焉へ向かう事を暗示する様な言葉はかけてはならないと神経を尖らせた。

そして、人の思いも言霊と同じく、大きなエネルギーとなっていろんなものに作用する。

一人二人の思いは小さくても、彼女の顔を思い浮かべて、たくさんの人間が「あの人ダメだな」などと思ってしまうと、不思議なくらい、事態はそっちの方向へ引っ張られてしまうのだ。

あたかも、自転車を運転中にハンドル操作を意識せずとも、視線の先へ車体が向かってしまうかの様に。

そう言う意味で、興味だけのその他大勢には、この件、あまり言わない方がいいと言うアドバイスだけはさせて貰ったのだが、彼女もあまり言わない様にしていると言う事だったので、そこは少し安心した。

最後に店を出る時、「また、切ってな」とだけ言って出てきたのだが、どうにも心配が止まらない。

そして、僕の立場で自分に出来そうな事は、今の所何も浮かばない。

強いてあるとするならば、回復を信じて、次回もその次もそのまた次も、髪を切って貰う場面を強く想像し、願う事くらいだ。

そんな昨日、今日の話です。

更新が不安定な状況はまだまだ続くと思いますが、よろしくお願い致します。

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