この記事は5228文字です。(読破予想時間:約12分26秒)
今回は、知的財産権など、堅い話を中心に自分の心の中の葛藤などを記事にしていきたいと思います。
僕は、一人の創作者であるので、知的財産の扱いなどについては一般の人に比べて、かなり敏感な方だと思う。
◇一般人てどういう意味?ってそりゃあーた
しかしながら、全てをルール通りに守っているのかと言えば、決してそうではない。
基本的には、出来るだけルールを守りたいとは常日頃から思っている。
そして、世間一般の平均と見比べれば、相当堅苦しい線まで、いろいろとルールやモラルを遵守している方だろう。
しかし、YouTubeにアップされている動画などで、明らかに本人や権利者に許可を得ずにアップしているライブ動画や音源のリンクを、ブログに貼り付けたりする事は僕もしている。
でも実は、それをする時にいつも迷いと葛藤があるのだ。
公式にレーベルやアーティストがアップしているPVなどは、何の問題もためらいもなくアップしている。
公式にアップしているものに関しては、個人でリンクを貼ってアップしても問題はない筈なので、極力、そういった公式にアップされた動画を探す様にはしてるのだが、なければやはり無許可のものをついつい使ってしまう。
「宣伝になるからいい」などと言ってる意見もよくみかけるが、それは、無断で使う側が勝手に決める事ではない。
それを決めるのは、著作者や権利者だ。
そして、その考え方は、人それぞれで本当に多種多様なのだ。
だからこそ、その著作者や権利者の意思を確認する必要があるのだ。
それ、すなわち、「許可を得る」と言う事である。
僕が自分のオリジナルコンテンツを他人に無断で使われたりした場合だと、確かに宣伝になる様な使われ方をしてくれるのは有り難いとは思うだろう。
しかし、フルコーラス無料公開をされたり、コピーが可能な状態で公開したりなんてされた日にゃ、それこそ訴訟物の話だ。
そう言った線が、著作者・権利者毎にそれぞれ違うと言う事を理解しておく必要がある。
なので、許可を得る事が必要になってくるのだ。
他のブロガーさんで、自分のブログによく訪れてくれる人がいたりして、その人の人柄はけっこう気に入ったとしよう。
そしてその人のブログを訪れた際に、その人のブログが他人の著作物を無断で掲載していたり、雑誌などをスキャンして肖像権を無視した状態で楽しんでおられたりする場合、いつもどうしていいのか分からなくなるのだ。
おそらく、罪の意識もなくされているのだろうし、そこを責める気はない。
でも、罪の意識がない方が、僕達アーティストにとってはタチが悪いとも言えるのだ。
結局、僕は、そういうブログを読んでもやっぱりコメントは書けないし、「いいね!」なんて間違っても押したりは出来ないのだ。
結局、ためらいがあるまま進行するコミュニケーションは中途半端で、そういう人とは短期間の接触だけでいつも縁が切れてしまう。
◇縁の話
そういう自分の堅い所やこだわりは、時には自分自身で嫌いな所だと感じる所でもあり、少し、誇りに思える時もあると言う、何とも、複雑な部分であり、本当に自分らしい特徴だ。
僕が今現在、ためらいながらもルール違反を犯しているのは、誰かが権利者に無許可でアップした動画を自分のブログに貼り付ける行為だ。
誰かがオリジナルコンテンツをアップしているものを無許可でアップすると言う意味ではない。
誰かのオリジナル動画にリンクを貼って紹介するのには、何の問題もない筈だ。
そうではなく、テレビ番組でアーティストが歌っている動画や、ライブのDVDを取り込んだ動画などの事を、無許可でアップされた動画と表現している。
それだけだからいいと言う物でもなければ、マシだとか言うものでもなく、間接的とは言え、ルール違反に違いはない事は重々承知している。
他人の撮った写真を勝手に掲載したりはしないし、人の著作物をスキャンして公開するなんて事もしない。
しかし、YouTubeの動画に関してはそうではない。
確かに、他人の楽曲を使用する場合、YouTubeが広告料から著作者・権利者に、使用料を支払ってくれると言うルールはあるが、それは、曲のカバーなどをした場合の話だ。
他人の楽曲を全て、自分で演奏したり歌ったりした場合にのみ許されたルールであり、他人の音源や動画を勝手に使ってはいけないと言う事は明記されている。
つまり、自分で歌っていても、カラオケが市販のものだったり他人が作った無許可のものはアップしてはいけないと言う事だ。
その無許可でアップされたライブ音源などを、ブログに貼り付けたりしていると言うのが、僕の現在の状況なのだ。
動画へのリンクを貼る立場の者は、おそらくこの動画は無許可だと思っているだけで、リンクを貼る際に、実際には許可を得ているかどうかを知る術はない。
そう言う意味では、YouTubeが放置している動画は、無条件に許可済みだと信じても問題はない筈だし、その責任を外部からリンクを貼る人間が感じる必要などないのかもしれない。
そして、無許可の動画はYouTube側が削除する義務がある筈だし、実際にブログに貼り付けた動画も後に削除されている事も多いので、そう言った事を自分の中で言い訳にしてしまっていると言うのもある。
だから、明確な責任はないのだと言う様な言い方も出来るのかもしれないが、僕自身の意識としては、これは間違いなく世間の潮流に流されている状況だと言えるだろうと思っている。
カセットテープが普及していた時代、レコードやCDをレンタルしたり、友達と貸し借りしたりした場合、レコードやCDをカセットテープに録音したりされたりは当たり前で、誰も罪悪感なんて抱いていない時代があった。
その名残りとも言うべき感覚が未だに自分の中に残っていると言うのはきっとあると思う。
そういう感覚はデジタル時代に突入して随分と変わったと自覚はしているが、やはり、完全には消え去ってはいないのだろう。
しかし、アナログの時代やアナログとデジタルが混在していた時代と、今現在のデジタル時代とは根本的なものが違うのだ。
カセットテープにCDやレコードを録音しても、音の劣化は確実に起こる。
確かに年々、テープレコーダーやカセットの性能自体が凄く進化して、相当な高音質で録音される様にはなっていたが、やはり、音質劣化は避けられないものだった。
この時点で、今現在とは違う。
音楽データに限らず、デジタルデータの場合、データを別の媒体へコピーしても、データの劣化はない。
こんなほぼ完全なコピーをされた日には、コンテンツの制作者はたまったものではない。
劣化があっても、それでユーザーが満足しているのなら、劣化コピーでもその意味は同じなのだが、よりいい音を求める層がいる限り、ある程度の売り上げは確保出来ていたのが、カセットテープ時代だ。
しかし、デジタル時代に劣化しないコピーが容易になって、コンテンツ制作者が生活するだけの売り上げを確保するのが難しくなりつつあるのは現実だ。
そういった中では、制作者達が、より良い作品を作り続ける事は相当困難になってくる。
レコードのレンタルが始まった時代に、レコードを販売している側とレンタル側でかなり揉めて、結局、レンタル側が売り上げの一部をアーティストやレーベルに渡すと言う事で決着がついたと言う事があった。
つまりレンタルしている客が、アーティストやレーベルに支払われるお金を負担しているだけの話なのだが、客の立場として、それは当たり前で何の問題もないとは思っている。
しかし、カセットテープを買った際にも、カセットテープの代金の中には、同じ意味の課金が既に行われていたのだ。
いわゆる、タックス・オン・タックス(二重課税)の様な状態だ。
レンタルに課金されたのが先なのか、カセットに先に課金されている状態で更にレンタルでも課金される様になったのかは分からない。
しかし、ユーザーは、二重課税状態でお金を払い続けていたのだ。
カセットテープには、会議用と銘打っているものと、音楽用と位置付けされた物の2種類が販売されていた。
課金されるのは、その内、音楽用カセットテープのみだと記憶しているのだが、その記憶が正しければ、会議用に録音すれば当然二重課税の状態は防ぐ事が出来る。
しかし、この2つは音質が明らかに違う。
なので、当時、会議用に音楽を録音する人は、あまりいなかった。
そしてこの二重課税の問題は、現代でも続いている。
CDレンタルして、CD-Rにコピーする場合、実はCD-Rには同じく購入時点で課金されているのだ。
CD-Rにも、データ用と音楽用が存在するが、音楽用を購入した場合には課金されるシステムだ。
但し、音の劣化と言う点ではカセットテープと違い、データ用と音楽用の差などほとんどない。
音楽用の方が音がいいなどと言う話は、いろんな所で宣伝されているが、それを聞き分ける事が出来る人などほとんどいないと言うくらいの差でその差はあっても意味のない程度の差だ。
それに僕はその差がある説自体、都市伝説なのではないかと疑っている。
聞き分けているつもりの人なら、たくさん出会ったが、本当に聞き分ける事が出来る人がいるのかどうかも疑問だし、実際に音の差があるのかどうかも疑問が残る。
それなりに、音楽用でないとコピー出来ない様に試みたり、コピーガードの工夫もいろいろしている様だが、アナログ時代の様に、明確な差による分かり易い棲み分けに至る事は無理そうだ。
結局は、モラルの問題で、コピーして楽しむのは、個人で楽しむ範囲のみと言う感覚が、皆に徹底的に浸透すれば問題なくなるのだろうが、その道はまだまだ遠そうだ。
僕も含めての話だが、音楽を制作、販売している側の人間が、無許可のコンテンツにリンクを貼ったりしているのだから。
これには我ながら情けないとは、心底思う。
しかし、こういった問題はなかなか浸透させるのは難しいもので、世の中、全てが正論通りに動かせる訳ではないのだ。
正論や法律より、社会常識に照らし合わせる事も、生きていく上では大事な事だってある。
例えば、道路の制限速度と言うものは確かに存在するが、都会の大きな道路などでは、交通の流れがその制限速度を少し上回っている状態なんて日常茶飯事だ。
その中で、速度制限を頑なに守るのもかえって危険だったりするし、当然、それ以上の暴走は言うまでもない話だ。
結局、そういった場合は、速度制限を守る事よりも、交通の流れに逆らわず合わせる事が一番安全で、大切な事なのだ。
実は、自動車の教習でも暗にこの事は教えている。
流石に、制限速度を超えて運転しなさいとは言えないとは思うが、「交通の流れに合わせなさい」と言う話は、講義の最中にも再三出てくる話で、それが、現実なのだ。
ただ、言ってはみたものの、その話と、YouTubeの無許可の音楽動画をアップする事と果たして、同じなのかと言う疑問は残る。
僕の場合、他人のライブ映像やテレビからのキャプチャー動画など、他人が作ったコンテンツを無許可でアップしているものに関しては、絶対に、高評価ボタンを押さないと言う、ささやかな抵抗はしている。
もしかしたら、良心の欠片の様なものがそうさせているのかもしれない。
そして、極力、ブログの読者に何かを伝える為に必要な場合以外は、その手の動画のリンクを埋め込んだりはしない様にはしている。
これを読んだ人は、きっと、「なら、やめればいいのに」と思っている事だろう。
それは、本当にその通りだと思う。
結局は、動画があった方が分かり易いと言う、世間一般の一番大きな声に流されてしまっているのが、今の自分なのだ。
読者の為ならばと言う感覚にすがりながら、罪の意識をごまかそうとしている自分がいるのだ。
そして、堅過ぎて世間から取り残されはしないかと機具する自分もその中にはいる。
「よし!今日からやめよう!」と言う強い意思がある訳でもなく、今の心境をつらつらと書き連ねているだけなのが、今日のこの記事だ。
そして、さっきも書いたが、無許可かどうかを知る術がない限り、全てに遠慮してると損をしてしまうぞと言う意識もある。
でも、その大半は、確認出来ないまでもおそらく無許可な事も分かっている。
何だか、自分がズルい考え方をしている様な気もしている。
動画のリンクを貼る時、そんな色々な葛藤がいつも渦巻くのが自分だと言う話です。
けっこう、我ながら面倒な性格だと思います。(-。-;)
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
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