続きです。



2人で行くために貯めているお金を
桜子さんとではなく、
母との旅行に使ってはどうかという提案でした。



僕は流石にそれはいいよと断りました。
そのうち行ける時に行くからと。




しかし桜子さんは、
親が元気なのは思ったより長くないよと言います。
確かに親をもう亡くした桜子さんにとって、
親孝行出来ずにある時いなくなる辛さを痛いほど
経験しているからこそ、
やたらと僕に酸っぱく言うのだと思います。




僕もいつか行く、
いつか行く
とかれこれ桜子さんと出会ってから繰り返し言っていますが、日々の暮らしの中でその思いは埋まってしまいます。



いつも何か事を起こす時、
桜子さんはきっかけを作ってくれ、
背中を押してくれます。



時にはうざく思う時もありますが、
それは
タイミングを逃すときっと後悔すること
を20年先に生きた先輩として教えてくれるのでしょう。



桜子さんと出会って、
僕の母に対する考えや態度、生活ぶりは変わって、きっと前より僕は母にとって
−大人−
になったと思います。




本当は母が安心できる女性と恋愛して結婚することが最大の親孝行なのでしょうが‥。








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