明石川の有機フッ素化合物問題について

 

火曜日の本会議で質問しました

 

字幕付き動画です↓

 

 

調べれば調べるほど疑問がいっぱい

 

引き続き、このテーマを掘り下げていきたいと思います

 

 

本会議のやりとりを文字起こししました

 

なお、正式な議事録ではありませんのであしからず

 

 

 

〇辻本  次に3項目目明石川の有機フッ素化合物問題についてお聞きいたします。

 

1点目は上流部で高濃度の有機フッ素化合物が検出されたことについてであります。

 

先日、水道局が所有する水道水とその原水にかかる有機フッ素化合物の分析結果報告書323枚を公文書公開請求により入手しました。これにより明石市水道局がこれまで市内外で繰り返し水質調査を行っていること、その調査により神戸市西区押部谷町所在の奥の新池排水路で1リットルあたり4000ng(ナノグラム)を超える有機フッ素化合物が複数回確認されていること等が分かりました。これは、国が定めた目標値である50ng/ℓをはるかに超えるものであり、同地において確認された数値のうち最も高かった2023年2月9日の4600ng/ℓは、同目標値の92倍であります。神戸市が公表している数値とは比較にならないほど高くまた、他都市で問題となっているデータと比較しても極めて深刻な値であります。

 

過日の神戸新聞報道では、明石側上流部で高濃度の有機フッ素化合物が検出されていたことについて市長は「報告を受けていなかった」と説明したとされましたが、今後の対応についてはどのようにお考えでしょうか。

 

私は、市民にわかりやすく説明するとともにこれらのデータを公開するべきと考えます。

 

見解を問います。

 

ところで、そもそも水道局は何故、神戸市内の河川や水路、地下水の調査を行ってきたのでしょうか。特に、奥の新池排水路にあっては、その名のとおり河川ではなく排水用の水路であります。何らかの意図をもって行われたものと推察いたしますが、いかがでしょうか。

 

見解を問います。

 

2点目は、環境への影響についてです。

 

現時点においては、さまざまな議論はあるものの国が定めた暫定目標値をクリアした水道水が供給されています。しかしながら原水については、何も手を加えることなく川を流れています。その行き先は、農業用水路であり海でありそこで育つ農作物・海産物等に与える影響はどうなのか。市民の不安はつのるばかりであります。市として状況把握し見解を示す必要があると考えますがいかがでしょうか。

 

認識を問います。

 

3点目は、発生源の特定と今後の対応についてであります。

 

先に述べたとおり、神戸市西区押部谷町所在の奥の新池排水路から高濃度の有機フッ素化合物が検出されています。その先をたどれば産業廃棄物処分場に到達します。ここが有害物質の発生源の一つとして特定できるのではないでしょうか。市が持つデータをもとに神戸市をはじめ関係機関と協議し対策を講じるべきではないかと考えますがいかがでしょうか。少なくとも市長はこのデータの存在を知らないまま神戸市との協議に臨んでいたわけです。

 

今後の対応について見解を問います。

 

4点目は、検査を希望する市民に対し費用を助成することについてであります。

 

自分自身の状態がどうなのかを知りたいという思いは当然です。他都市では、検査費用を助成する取り組みも進められています。専門家からも全体を把握することは重要との指摘があり希望する市民が検査を受けることへの援助は意義ある取り組みと考えます。

 

あらためて希望する市民に対し検査費用を助成することについて市長の見解を問います。

 

〇公営企業管理者(水道局長)  公営企業管理者でございます。私からご質問の3項目目の明石川の有機フッ素化合物問題についての1点目、上流部で高濃度の有機フッ素化合物が検出されたことについてお答えいたします。

 

議員ご質問の、そもそも奥の新池排水路で水質検査を行った理由は何なのか、についてでございますが、明石川河川水は、本市水道の重要な水源であるものの上流部では開発が進み、また、流域には多数の産業廃棄物最終処分場が建設されてきたことから年々水質汚濁が進み、本市では安全でおいしい水をお届けするため水質検査の充実と高度浄水処理の導入等の対策を行ってきたところでございます。

 

産業廃棄物最終処分場から排出される放流水による水質負荷の代表的なものといたしましては、水質基準項目であるトリハロメタンや臭素酸があります。トリハロメタンは、トリハロメタン生成能を含む有機物が浄水処理の過程で消毒剤の塩素と反応して生成されてしまうもので、臭素酸は臭化物イオンを含む原水をオゾン処理することで生成されてしまいますが、両物質とも健康被害への影響といたしましては、発がん性の可能性が指摘されております。このようなことから本市では平成14年度には、トリハロメタン対策としてオゾン活性炭処理の高度浄水処理を導入しまた。平成16年度には、新たに臭素酸が水質基準項目に追加されたことから、消毒剤である次亜塩素酸ソーダを現場生成から市場購入へと変更しオゾン注入量の調整により臭素酸を抑制するなど対策を行ってまいりました。

 

一方、浄水処理での対策と並行し、トリハロメタンや臭素酸の生成原因となる臭化物イオンが多く含まれている可能性のある排出水を放出する産業廃棄物最終処分場との協議によりまして、産業廃棄物処理法等の排出基準項目では無い臭化物イオンについて放流量の低減や臭化物イオンの低減を目的に放流水が流れる奥の新池排水路においての水質検査を開始したものでございます。

 

この水路での有機フッ素化合物の代表的なものであるPFOSについての検査は、令和2年4月にこれらの物質が水質管理目標設定項目となり国において暫定目標値が設定されたことから浄水処理への参考と水道原水の状況把握のため追加することとしたものでございます。

 

本市の水道水の検査結果の公表に関しましては、水道法では浄水後の水道水には水質基準による規制があり、市民の皆様に水道水の安全性をお知らせするため明石市水質検査計画を策定し蛇口に近い末端給水栓の水質検査結果を毎月ホームページで公表することといたしておりますが、水道原水については水道法において規制基準はなく、その水質が悪化した際には取り入れ量を減少または停止することが示唆されているのみでございまして、この度の奥の新池はもとより他の水源水質についての公表もしていないのが実情でございます。

 

現在、水道局ではPFOS・PFOAの低減対策として降雨の後で明石川河川水の水量がある時に積極的に取水し原水取水時の濃度対策を行い浄水過程においては地下水の割合を増やすとともに活性炭の交換頻度4年ごとから毎年交換に変更しPFOS・PFOAの除去率を向上させるほか県営水道と混合し稀釈することにより国の基準を大幅に下回る水道水を供給しており市民の皆さんには安心してお飲みいただけるものとなっております。

 

しかしながら、明石川河川水は水量・水質ともに不安定なため将来的にも持続可能な水道を確保する必要があることから令和7年度には阪神水道企業団から新規取水を行うとともに令和10年度中の明石川河川水の完全廃止を予定しているところでございますが、それまでの間は、現在行なっている低減対策を継続することで安全安心な水道水の供給に万全を尽くしてまいります。

 

よろしくご理解賜りますようお願いいたします。

 

〇環境産業局長  環境産業局長でございます。

 

ご質問3項目目の明石川の有機フッ素化合物問題についての2点目から4点目につきまして順次お答えをいたします。

 

まず2点目の環境への影響でございますが、有機フッ素化合物いわゆるPFAS中でもPFOS・PFOAの人の健康への影響につきましては、環境省や食品安全委員会の資料によりますとコレステロールの上昇、発癌、免疫系などとの関連は報告されておりますが、どの程度の量が体内に入ると影響が出るかについては確定的な知見がないことに加えPFASが人体に影響を与えるメカニズムも解明されていない中で血中濃度の基準を定めて健康への影響を評価することは困難であるとされております。

 

またPFASと農水産物との関係につきましては、農林水産省において土壌や米・野菜・水産物等の食物に関しどの程度含まれているのかを詳しく把握する為の実態調査が行われているところでございますが、現時点でPFASの農水産物への移行や有害性などについて評価・分析する方法が確立されていないのが現状でございます。

 

引き続き、国の動向を注視しつつ県や他市町、農協漁協等の関係団体等と密に情報交換をしながら国が明確な基準を示した際には必要な措置を講じることができるよう準備をしてまいりたいと考えております。

 

次に3点目の発生源の特定と今後の対応についてでございますが、当該水質検査の数値につきましては、神戸市との間で毎年2回実施しております神戸市・明石市環境部局間定期情報連絡会議の場で水道局から測定結果を伝えるとともに発生源の特定について要望をしているところでございます。

 

神戸市におきましては、これまでの調査においても複数の地点でPFASが暫定目標値を超えて検出されていることから調査地点を増やすなどしてより詳細に河川の水質を把握しているところでございますが、いまだ発生源は特定できていないとお聞きしております。

 

また、PFASは、法の規制対象物質ではないため強制力はありませんが、明石市川流域の産業廃棄物最終処分場などに対し水質検査の実施継続や可能な範囲でPFASの排出削減に繋がる対応を行っていただくよう文書で依頼するなど汚染防止に向けた対策を行っていただいているところでございます。

 

本市といたしましては、引き続き神戸市と連携を密にするとともに令和6年度からは兵庫県が策定をする公共用水域及び地下水の水質の測定に関する計画に基づき市内3地点で水質調査を実施することとしており、結果につきましてはホームページなどを通じて情報提供に努めてまいります。また、本年一月には市長が環境省と厚生労働省を訪問して国として人の健康や環境に関するリスク評価の明確化や国民の不安解消の為の情報発信など各大臣に要望しているところでございまして、引き続き要望実現の加速化を求めてまいります。

 

最後4点目、検査を希望する市民に対し費用を助成することについてでございますが、2点目の答弁でお答えしましたとおり、国の方ではPFASの摂取量と健康被害に関する確定的な知見はない状況であり、現時点において健康への明確な評価基準が示されておりません。このような状況を踏まえまして、現在のところ血液検査に対して助成することは考えておりませんが、今後、国から新たな方針が示された際にはその方針に則り速やかに対応していくようにしていきたいと考えております。

 

ご理解賜りますよよろしくお願いいたします。