本日行いました本会議質問の原稿を紹介します

 

 

 

本会議一般質問

 

 

日本共産党

辻本 達也

2024年6月18日

 

 

1 新幹線車両基地計画について

 

本件は、2019年11月15日付神戸新聞報道により広く知られることとなり、以後、議会において繰り返し議論されてきました。

 

計画地とされたJR大久保-魚住間の農地は、市街化調整区域であり農業振興地域でもあります。多くのため池も存在し、豊かな自然が広がる明石の宝であります。加えて、この広い農地が果たしている洪水調整機能は、周辺地域の防災上の観点からも極めて重要です。

 

よって私は、本件計画を歓迎するものではなく、積極的に誘致を求めるものでもないことをあらためて表明します。

 

さて、ここ数年は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、計画の検討は一旦中断し、JR西日本からの具体的な提案等はなかったものと認識していますが、今日、新型コロナウイルス感染症が第5類へと移行し、経済・社会情勢も徐々にコロナ禍前の状況へと戻ってきました。

 

また、過日の静岡県知事選挙の結果によって、リニア新幹線の整備を推進する立場の知事が就任したこともあり、車両基地建設に係る検討を再開する条件が整いつつあるのではないかと想像するところであります。

 

本件にあっては、JR西日本より魚住町金ケ崎に広がる農地の一部を車両基地設置の候補地としたい旨の提案を受け、市は地元へ説明し水利施設保全高度化事業として予定していた、魚住東部地区のパイプライン化事業に係る補助金について、国への採択申請を取り下げた経緯があります。

 

同地で農業を続けようと考える地権者にとっては、いつまでも本件が不透明なままでは、今後の農業経営はもとより生活設計を立てることもできないのではないかと考えます。

 

さらに本件は、今後のまちづくりや市政運営にも重大な影響を及ぼすテーマであり、市として積極的な情報収集と早い段階での市民に対する情報発信・情報共有が必要であります。

 

よってこの際、本件に係る市の現状認識と今後の対応をお聞きします。

 

 

 

2 大阪・関西万博への対応について

 

4月11日に兵庫県の齋藤知事は、県下の小中高生最大56万人を大阪・関西万博に無料招待すると発表しました。これに対し各方面から、中止あるいは慎重な対応を求める声が相次いでいます。

 

その理由は、会場の安全性と猛暑への対策です。さらに、豪雨や南海トラフ巨大地震など自然災害発生時の備えも専門家からズサンすぎると厳しい批判の声があることもその理由のひとつです。

 

不安の声が広がる中、本年3月28日には、夢洲1区で発生する可燃性ガスによる爆発事故が起きました。日本国際博覧会協会は、この夢洲1区に駐車場を設置することにし、こどもたちが参加することになれば同区を通る予定となっています。

 

また、同協会は本年3月29日、パビリオンの区域では「可燃性ガスの発生はない」と発表をしていましたが、つい先日、爆発事故の原因となったメタンガスが、パビリオンなどが建つ夢洲2区・3区のメイン会場区域でも検出されていることが明らかになりました。

 

同協会は、検出されたガスは「低濃度」と説明していますが、一部のエリアでは、実際に爆発事故があった夢洲1区で採用された対策基準濃度を超えており、今後も同様の事故が起きる可能性は否定できません。

 

このような状況を踏まえ、各方面から学校行事として子どもたちを大阪・関西万博に参加させるべきではないとの声が上がっています。私も、このような危険性の高い場所に学校行事として子どもたちを集団で参加させるべきではないと考えています。

 

以上の立場から、本件に係る市教委の認識を問います。

 

特に、安全性については兵庫県や万博協会から十分な説明があるのか、各学校への情報提供は十分行われているか、認識を問います。

 

3 明石川の有機フッ素化合物問題について

 

(1)     上流部で高濃度の有機フッ素化合物が検出されたことについて

 

先日、水道局が所有する水道水とその原水に係る有機フッ素化合物の「分析結果報告書」323枚を公文書公開請求により入手しました。

 

これにより、明石市水道局が、これまで市内外で繰り返し水質調査を行っていること、その調査により神戸市西区押部谷町所在の「奥の新池排水路」で1リットル当たり4000ngを超える有機フッ素化合物が複数回確認されていることなどがわかりました。

 

これは、国が定めた目標値である50ng/ℓをはるかに超えるものであり、同地において確認された数値の内、最も高かった2023年2月9日の4600ng/ℓは、同目標値の92倍であります。

 

神戸市が公表している数値とは比較にならないほど高く、また、他都市で問題となっているデータと比較しても、極めて深刻な値です。

 

過日の神戸新聞報道では、明石川上流部で高濃度の有機フッ素化合物が検出されていたことについて、市長は「報告を受けていなかった」と説明したとされましたが、今後の対応についてはどのようにお考えでしょうか。私は、市民に分かりやすく説明するとともにこれらのデータを公開するべきと考えます。見解を問います。

 

ところで、そもそも水道局は、何故神戸市内の河川や水路、地下水の調査を行ってきたのでしょうか。特に、奥の新池排水路にあっては、その名のとおり河川ではなく排水用の水路であります。何らかの意図をもって行われたものと推察しますがいかがでしょうか。見解を問います。

 

(2)    環境への影響について

 

現時点においては、様々な議論はあるものの国が定めた暫定目標値をクリアした水道水が供給されています。

 

しかしながら、原水については何も手を加えることなく川を流れています。その行き先は、農業用水路であり海であり、そこで育つ農作物、海産物等に与える影響はどうなのか。市民の不安は募るばかりです。

 

市として状況を把握し見解を示す必要があると考えますがいかがでしょうか。認識を問います

 

(3)    発生源の特定と今後の対応について

 

先に述べたとおり、神戸市西区押部谷町所在の「奥の新池排水路」から高濃度の有機フッ素化合物が検出されています。

 

その先を辿れば、産業廃棄物処分場に到達します。ここが、有害物質の発生源のひとつとして特定できるのではないでしょうか。市が持つデータをもとに神戸市をはじめ関係機関と協議し対策を講じるべきではないかと考えますがいかがでしょうか。

 

少なくとも市長は、このデータの存在を知らないまま神戸市との協議に臨んでいたわけです。

 

今後の対応について見解を問います。

 

(4)    検査を希望する市民に対し費用を助成することについて

 

自分自身の状態がどうなのかを知りたいという思いは当然です。

他都市では、検査費用を助成する取り組みも進められています。

専門家からも、全体を把握することは重要との指摘があり、希望する市民が検査を受けることへの援助は意義ある取り組みと考えます。

 

あらためて、希望する市民に対し検査費用を助成することについて市長の見解を問います。

 

 

4 (仮称)二見図書館について

 

(1)     3月議会における説明からの変更点について

 

これまでの説明では、管理・運営方法について指定管理者制度を導入予定とし、今年の12月議会には指定管理者指定議案を予定する旨スケジュールも示されていました。

 

ところが、この度の議案説明では、委託による管理運営となっています。

 

何故でしょうか。見解を問います。

 

(2)    委託先の選定について

 

この度の議案説明では、委託事業者の選定時期が示されていません。

 

また、今後具体的な運営について、本年11月と来年1月のワークショップで話し合うこととなっています。具体的な運営が定まらない中でどのように事業者を選ぼうとしているのでしょうか。

 

見解を問います。