3月議会では「厚生年金へ地方議会議員が加入できるための法整備」など議員の処遇改善を求める意見書提出のことが議題となりました

 

提案したのは自民党会派に所属する8名の議員です

 

私は、議員が自らの経済的な身分保障を求める前に、国民全体のセーフティネットとしての年金制度の確立を優先すべきと指摘し議案に反対しました

 

地方議会をめぐっては、近年、少子高齢化と人口減少の進行により地域によって議員の「なり手不足」が課題となっているといわれています

 

様々な行政課題に対し、多種多様な意見を持ち寄り、対立する意見については民主的な議論によって合意形成を図るという議会の役割は重要であり、この権能を十二分に発揮するためには多様な人材が地方政治に参画することができるよう環境改善等を図ることは必要です

 

しかし、だからといって地方議員が厚生年金に加入できるよう法改正を進めよと国に求めるというのは別の話です

 

かつてあった「議員年金」は、地方議員の特権的制度と厳しい批判を浴び、加えて市町村合併による議員数の大幅減による掛け金収入の減少も相まって制度が廃止されました

 

当時、制度を存続させようとする議論はありましたが、いずれにしても住民の新たな税負担は避けられないことから、廃止やむなしとの結論に至ったわけです

 

それなのに「なり手不足」の問題があるからといって、保険料の一部を税負担による厚生年金への加入を可能とすることは「議員年金」の復活とのそしりは免れず受け入れることはできません

 

そもそも、議員は自営業者と同じく国民年金の対象であります

 

事業主に雇われているわけではなく、もとより厚生年金を適用するには無理のある話です

 

議員が退任後に国民年金だけでは生活できないという課題を投げかけるのなら、自らの経済的な身分保障を求める前に、だれもが安心して生活することができる年金制度の確立を国に求めるべきです

 

加えていうなら、今、国に対して求めるべきは、自民党の「裏金問題」の徹底究明をはじめ政治と金をめぐる問題、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)にからむ様々な疑惑の解明であって、議員の生活安定のための制度改正ではないと私は考えます

 

なお、意見書案にある

 

「主権者教育の推進」、「会社員が立候補しやすい環境の整備」、「政治分野における男女共同参画の推進等」については異議を唱えるものではありません

 

*****

 

【参考】

議員提出議案第1号 

多様な人材の地方議会への参画促進を求める意見書提出のこと