本日、午前10時より本会議が開かれ、令和6年度一般会計予算案など各議案の裁決が行われました

 

本日の本会議では、自民党会派所属の議員8名から一般会計予算案と水道事業会計予算案に対する修正案が提出されましたので、これに反対討論を行いました

 

以下、その原稿です

 

【反対討論】

議案第34号「令和6年度明石市一般会計予算」及び議案第46号「令和6年度明石市水道事業会計予算」に対する修正動議について

 

日本共産党

辻本 達也

 

私は、議案第34号 令和6年度明石市一般会計予算及び議案第46号令和6年度明石市水道事業会計に対する修正動議について反対の立場から討論を行います。

 

本修正案は、歳入で基金からの繰入金を5億1千2百万円増額するとともに、歳入で諸支出金の公営企業費を同額の5億1千2百万円増額し、歳入歳出予算をそれぞれ126,278,554千円から126,790,554千円に改めようとするものであります。

 

その趣旨は、本市水道事業の水源転換に伴う阪神水道企業団への加入金のうち令和6年度分に係る費用を一般会計で負担しようとするものと理解しています。

 

まず、公営企業は、受益者による負担額のみをもってその経費をまかない、自足的に事業を継続する「独立採算」を基本原則としていますが、法が定めるところにより必要に応じて地方公共団体の一般会計又は他の特別会計において、出資、長期の貸付け、負担金の支出その他の方法によりこれを負担することとされています。

 

よって、本件修正案の趣旨は、法的に問題なく認めることは可能であります。

 

また、予算の増額修正については、地方自治法第97条において「議会の権限」として認められているところであり、これについても問題ないものと認識しています。

 

しかしながら、同法同条第2項後段のいわゆる但し書き部分が指摘する事項については、本件修正案がこれに抵触するものとして疑義があります。

 

左記に申し上げた条文は、次のとおりです。

 

「議会は、予算について、増額してこれを議決することを妨げない。但し、普通地方公共団体の長の予算の提出の権限を侵すことはできない。」

 

「長の予算の提出の権限を侵す」とは、長が提案した予算の趣旨を損なうような増額修正を行うことを言います。

 

この前提に立ち、本件修正案と原案を照らし合わせたところ次のような論点が見えてきます。

 

第1に、令和6年度末の3基金残高に係る見通しです。

 

本会議初日に行われた市長の施政方針に係る発言において、新年度予算の概要と予算編成に係る基本的な考えが示されました。

その中で、本市の一般会計予算は、福祉関係経費の増加のため7年連続で過去最大規模となっていますが、財政基金など3基金の取り崩し額は、昨年度より16億円減らし過去7年で最少としていること、これにより令和6年度末の3基金残高が、100億円を上回る見通しであることが明らかにされています。

 

第2として、阪神水道企業団への加入金の負担に係る検討結果についての説明です。

 

本会議において財務部長は、様々な事情を考慮し検討を重ねた結果として、本件経費が繰り出し基準内の工事費と同様の性格を有するとはいうものの、交付税措置がなくその性質から市債を起こすことも困難、すなわち全額一般財源となるといった事情があり総合的に判断した結果、令和6年度の出資については企業会計により負担することとするとの判断に至った旨説明がありました。

 

第3は、この間の財政状況と今後の収支見通しを踏まえた一般会計予算案の編成にかかる基本的な考え方です。

 

総務常任委員会では、財務室長から詳細にわたり説明がありました。

 

水道事業会計が厳しい状況にあるとの認識が示される一方、一般会計についても2年連続で実質単年度収支が赤字となることが想定される中、令和6年度において一般会計で阪神水道企業団への加入負担金5億円を負担するということになれば基金の取り崩し額が増えること、3年連続の赤字が懸念されること、さらに、他都市において同負担金を一般会計では負担せず全額水道事業の負担とした例があることなどを踏まえ総合的に判断した結果、この度の加入金については、水道事業会計において負担することとした旨説明がありました。

 

以上、この間の理事者説明により予算編成の意図は明確であり、議案審査を通じて出された疑義についても答弁により解消されたところであります。

 

よって、この上で予算を増額修正することとなれば、長が提案した予算の趣旨を損なう増額修正にあたるものであり、すなわち法第97条第2項但し書きの規定に抵触するものと私は考えます。

加えて、予算の増額修正については、昭和52年10月3日付自治省行政局長通知により「地方公共団体の議会の予算審議において、議会が予算修正を行おうとするときは、長と議会との間で調整を行い、妥当な結論を見出すことが望ましい。」との認識が示されています。

 

この度の予算修正が、長と議会との間で十分な調整が行われたと言えるのか。はなはだ疑問であります。

 

本市の水道事業が、物価高騰や有収水量の減少等により厳しい経営状況を強いられていることは、この間の議論を通じて明らかにされており、これに異議を唱えるものはないものと思われます。

 

さらに、本会議・委員会における質疑を通じ、これまでも電力高騰への対策など一般会計からの繰り出しも行われており水道事業の下支えはあるとの認識が示され、今後についても、必要な下支えを適宜適切に行うこと、水道事業会計の厳しい経営状況に鑑み、新年度においては、水道事業の経営のあり方や今後について、水道局任せにすることなく市長部局も一緒になってしっかり検討し経営計画・方針を決定していく旨、理事者より示されたところです。

 

議会としても、市民生活に直結する課題として市長部局や水道局とも情報共有をはかりつつ、新年度においては、より具体的な議論を進め、より良い方策を見いだすため胸襟を開いた議論を旺盛に進めるべきと考えます。

 

そのためにも、まずは、原案を承認し前向きに一歩前進するべきです。

 

以上、意見を述べ、議案第34号 令和6年度明石市一般会計予算に対する修正動議については反対、これに関連する議案第46号 令和6年度明石市水道事業会計予算に対する修正動議についても反対し、各予算議案の原案について賛成することを表明し討論を終わります。