君に会いに行く方法を一晩中考えた その6 | 辻村人生の人生ブログ

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THE SORRY ON PARADEのギターヒーロー、辻村邦久の非日常を綴るブログ。
夜露乳首!

辻村邦久です。
そんなつもりがないのは当たり前。
だけど相手にそう思われてるのなら、そう伝わってるということ。

地下鉄は再開の見込みが立たず、俺は帰宅するにしろ徒歩かシータクを捕まえなければならなかった。
こんな日にシータクを捕まえるなんて至難の技。
ポケモンGOを知らないけれど、何故かポケモンGO全盛期、大通公園に群がるヒマな連中を思い出していた。

だが、帰るわけにはいかなかった。
俺は大切な人の安否を確認したかった。
恋人だ。

地震発生時より電話等で連絡を取り合い、お互い無事を伝えあってはいたが、俺はこの目で確認したかった。
100回無事だと聞くよりも、1回でも無事な姿を見たかった。
シンプルだろ?

という理由で、俺は暗黒大陸に踏み込んだ。

恋人の住む目的地までマップで確認すると、徒歩だと3時間くらいかかるらしい。
ミュージックステーションのスペシャルくらい尺があるじゃねえか。
嵐かEXILEあたりがトリにバラード熱唱する頃に、俺はサライを熱唱することになる。

ブチャラティの名言が俺の脳内に炸裂した。

覚悟はいいか?
オレはできてる

これはいつでもハートに響く。
最高に俺を奮い立たせた。

職場で電気が復旧した際、人知れず速攻で電気泥棒を咬ましておいた甲斐があり、iPhone100%、携帯バッテリー100%で俺は信号機の光らない街を進んだ。

幼少のみぎりより暗がりでエロビを見続けたせいで、著しく視力の低下した俺には、iPhoneの懐中電灯だけが頼りだった。

クラクションやサイレンがどこそこで鳴っている。
同じく懐中電灯を照らしながら進む人たちとすれ違い、あるいは声をかけられ、まずは白石区を脱出する為に一心不乱に歩いた。

すると、ローソンの灯りが見えてきた。
やってるじゃねえか。
コンビニ。
事前に得た情報では、どこのコンビニも閉まっていると。
北海道が誇るセイコーマートだけが、精力的に開店してるとは聞いていたが、ローソンもかましていたので寄ることにした。

とにかく俺は腹が減っていたし、喉も渇いていた。
餓えと渇きはセクシーなデブに致命的なダメージを与えるのだ。

駐車場がえげつない。
店舗の周りを乗用車がぐるっと一周している。
俺は21時に閉店するという、手書きの段ボールが貼られたドアを開けた。
店内も強烈な賑わいを見せている。
活気にあふれているように見えるが、皆一様に困っているのは一目瞭然。
ガキどもだけははしゃいでやがる。
まあ、ガキはそれでいい。
それがいい。

弁当やパンはもちろん全滅、カップ麺もあらかた掘られてる。
しかし俺は進むわけだから、カップ麺なんぞすすってる場合ではない。
歩きながらモグリンピックできる食料を確保しなくてはならないッ!

結果、6Pチーズ、プリングルスのでけえやつ、新発売のウィルキンソンエクストラ(奇しくも9/6発売)、からあげクンレッドをゲッティンブルーした。
からあげクンは大量に売っていて、俺は今回の地震でからあげクンには相当世話になることになる。

レジに並んでる間、前後の人たちの会話を聞いていた。
明日どうしようと不安そうなカップル、電気やべーしか言わない呑気な高校生と終始勉強しなさいねと怒っている母親、電話で誰かに帰れそうにないと伝えているスーツの男。

俺は恋人を思っていた。

それらの食料のペース配分を考慮しながら、再び俺はからあげクンをパクつきながら歩き出した。

俺の人生に鶏肉は欠かせない。

ブチャラティ!