遺灰はあまりに無味乾燥な粉末でしかなく、あの女の名残がこんなものなのかと訝しんだ。なんとはなしに香りを確かめてもみたが、もちろん無臭であり、なるほど死んでいるとおかしな納得をした。
意外というかやはりというか、随分とあっさり逝ってしまった。まさか予期していた訳ではあるまいが、末期のときも安らかな顔をしていたような気がする。
そのせいか、大した落胆もしなかった。或いは、それもまたそういう風に作られているおかげなのかもしれない。僕らは買い手より長く生きるよう出来ているから、作り手が気紛れを起こしたのだろうか。
知る由もないが、都合は良かった。何しろ、僕は一人で生きなければならなくなったのだから。
意外というかやはりというか、随分とあっさり逝ってしまった。まさか予期していた訳ではあるまいが、末期のときも安らかな顔をしていたような気がする。
そのせいか、大した落胆もしなかった。或いは、それもまたそういう風に作られているおかげなのかもしれない。僕らは買い手より長く生きるよう出来ているから、作り手が気紛れを起こしたのだろうか。
知る由もないが、都合は良かった。何しろ、僕は一人で生きなければならなくなったのだから。