【ゲーム】 | ついてる男たち〜きっとリターン〜

ついてる男たち〜きっとリターン〜

イサオの脱鬱コラム・映画批評&アツシのイラスト。きっと週1更新。

監督: デヴィッド・フィンチャー
製作年度: 1997年  製作国・地域: アメリカ  上映時間: 128分




【※ネタバレ含みます。知りたくない人は右上のバツを押すべし。】


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実業家ニコラス(マイケル・ダグラス)は、
弟のコンラッド(ショーン・ペン)から
CSR社という会社が主催する“ゲーム”の招待状をプレゼントされる。

最初はバカにしていたニコラスだが、
「人生が一変するような素晴らしい体験ができる」という謳い文句に惹かれ
ゲームに参加するが、やがてCRS社のオフィスの消滅や、
身の回りで起こる奇妙な出来事に翻弄され続け、
次第に加速するトラブルに、ついには生命の危機にさらされることになり・・・




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基本的にネタバレ前提ですが、
とくにこの映画に関しては、まだ観てない人は読まないように!

というのもオチこそ全てみたいな映画なので。

この映画は、サスペンス映画の結末として
「犯人は実はコイツ!!」という流行を踏まえた上で、
さらに事件の動機にもサプライズを仕掛けたという点で、
当時衝撃を覚えた印象深い作品。

10年以上振りに観てみると、
結構、無茶な話の展開や、聞き分けが良過ぎる主人公etc
昔の印象以上に粗が目立って見えたんだけど、
総評するとやっぱり面白いんですよね。

動機や手段などの細かい整合性はあまり重要ではなくて、
主人公さながらに最後の最後まで、
鑑賞者までもが翻弄され続けるというタイプ。

なんのこっちゃ?!どうなってんだ?!
で、ラストの大オチにそういうことか!!!と。

でもね、実際、あんなことされたら、
ブチ切れでは済まないと思う。
まして、アメリカ、絶対訴訟問題。
そもそも、喜びには繋がらないだろうと。
愛情があるとは到底思えないんですよね。

なのに、主人公は黒幕である“彼”を慈しむように抱きしめ、
何なら経費の半分はオレが持つよ・・・とか言い出す。
実際、あんなゲームを仕掛けたら数億円じゃないでしょうか?

雑に言うと、質が悪過ぎるロンドンハーツのドッキリ。
たまたま死ななかっただけで、死ぬチャンスありすぎ。

イラストの道具もさ、
車に閉じ込められたまま海に突き落とされて、
「あ!あの道具だ!」って気付けるか普通?!

潜水夫が控えてたと、終盤にネタバラシがあるけど、
あんなの溺れる以前に、ショック死の可能性ありますから。
カーチェイスや何やら、もう奇跡的な事故回避。

本当にご都合主義なめちゃくちゃなお話なんだけど、
冒頭でも書きましたが・・・面白いんですよね。

これさっきの例えにも出たロンドンハーツドッキリにも言えるけど、
結局、他人の不幸は蜜の味ってことだと思うんです。

自分が置かれた状況に気付かぬまま
翻弄されている姿、危険に晒される姿を、
クーラーの効いた部屋で、安全を確保した環境で、
優雅に鑑賞するという本能的な優越感。

漫画【賭博黙示録カイジ】に出てくる、
VIPのジジィばりに悪趣味な感覚だけど、
人間という生き物が持つ、プリミティブな快楽というか。

モラルを考えると否定したくなるけど、
確かにそういうのってなくはない。
オレ、SかMかで言うと、確実にSじゃないけど。

最近ではリアル脱出ゲームなど、
体験型のアトラクションが人気だけど、
こういうタイプのサプライズも
場合によっては面白いかもしれませんね。
いろんな障害はありそうだけど!!

バラエティー番組では、
喜ばせた上で、現実に叩き落とすっていう手法がほとんどだけど、
逆パターンでドッキリを仕掛けたら、
これはこれでめちゃくちゃ面白いんじゃないかなと、
この映画を観ながらそんなことを考えていました。

(あぁ、今回かなり雑な感想文になってしまってますね。。。)

最後にここよかったなという点だけ。

自殺した父親の姿がトラウマのようになっていたニコラスが、
最後の最後に同じ道を辿るという話の持って行き方 a.k.a. 伏線は、
この荒唐無稽なお話のなかにも、意図を感じました。

ま、だからと言って「ありがとう」と
黒幕の“彼”に感謝するようなことはありえないと思うけどね!!!

改めて、「結果、面白きゃ勝ち!」というタイプの映画の
見本みたいな作品だなと思いました。



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次回、更新予定の映画タイトルは
【リンダリンダリンダ】です。



リンダリンダリンダ
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すでに観た人、観てない人、
これきっかけで観てみ。