アニエス・ソレルは国王シャルル7世からダイヤモンドはじめ金銀宝石を山ほどプレゼントして貰い、女性として初めてダイヤを身に付けました。この時代ダイヤは恐ろしく希少で男しか身につけることができなかったそうです。
ほかにもアニエスは慣習を破り、宮廷に新しいファッションを流行らせました。前の記事に添付したアニエスの肖像画も左側の乳房が露出してますね。これは肖像画だけの為ではなく、普段もそうして堂々とおっぱいを露出してたんだそうです。よっぽど乳房の形に自信があったんでしょう。まだ20代ですから、はちきれんばかりのみずみずしい乳房だったんでしょうな。この絵から見ると、まんまるでなんだかボールを貼り付けたようであまり美しいとは言えませんんが、シャルル7世にはこれがご自慢で、廷臣から顰蹙の声が挙がるのも気にせず喜んでいたといいます。
シャルル7世の奥方はアニエス(英語ではアグネス)の美貌には叶わないと諦め静かに旦那の色狂いを見ていたようですが、二人の間には息子がありました。王太子ルイは後のルイ11世ですが、国王が自分と母親に愛情を向けず、自分と年齢が同じくらいのアニエスにうつつを抜かしてるのを憎み、父親と事あるごとに対立し、アニエスには憎悪を丸出しにして悪口罵言をぶつけ、時には剣を抜いて追いかけまわすことまでやったといいます。
アニエスはシノン城には住めなくなり、国王がプレゼントにくれたロッシュ(Loches )城に居住を移します。ロッシュ城はトウールの南東10kmほどアンドル(Indre)川の畔にあり、今はアニエスを記念する城として参観できます。アニエスの寝姿を彫刻した大理石像の寝棺が安置してあります。
アニエスは稀な美貌の持ち主だっただけでなく知性にも優れシャルル7世のともすると無気力になりがちな国政に対して助言をしました。とりわけイングランドのヘンリー6世がフランスの王位を主張してノルマンデイに攻め込んだ時はシャルル7世を𠮟咤激励してノルマンデイからイングランド勢を最終的に追い払いに向かわせたのでした。