７月４日の日没時の空は低く乱れた雲に異様に赤い夕陽が射して怪しげな雰囲気。悪天候を告げるようだった。
フランスの南西部、アキテンヌ地方からドルドーニュ、リモージュ、そしてここのすぐ隣の県、ニエーヴル県を含む２７の県に暴風雨注意報が発令されていた。
予報では今朝この辺りも激しい雨と雷が襲うとあったが、起きて見ると小雨で地面と木々は濡れているだけ、雷の気配はなかった。
ただ１０時を過ぎて２回激しい雨が降った。物置の排水システムがちゃんと機能したかを視に行くと、樋から流れ落ちる個所に置いてあったバケツに一杯水が溜まっていた。なんとか設計通り屋根から漏れた雨水をひとまとめにしてバケツに溜めるのに成功したようだ。
ニュースでは南部の数か所で集中豪雨と雹により大きな被害が出た。ところによりテニスボール、 最大ペタンクの球＝直径５センチ、ぐらいの大きな雹が降り、ブドウ畑に甚大な被害が出た。
ピンポン球ぐらいの雹 ↑ 画像はお借りしました。
自動車のフロントガラスが割れ、瓦が壊れて屋根が穴だらけになり、屋内に大量の雨が振り注いだという。そんな被害と比べると、ウチなどは樋から溢れた水が屋内に垂れ落ちる程度で、災害なんかとは言えない軽微な事故だと思った。
強風が襲い、吹き倒された大木の下敷きになって老人が一人死亡した。
１２万世帯が停電、テレビも電話もインターネットも使えないという。
サッカーＷ杯は８強が決まり明日の第一戦フランス/エクアドルを待ってるところ。
一昨日、日本/ベルギー戦も中継されたのでしっかり観た。日本は最後に逆転を許したけれど、よくやったと思う。なにより選手たちの折り目正しく清々しい闘い振りが好印象を与えた。数万のいやテレビを入れれば数千万の観衆が日本チームの闘いぶりに気品を感じたのだろう。「よくやった」「感動する場面がたくさんあった」「次は８強入りだろう」と賛辞を惜しまなかった。
これに反してイングランド/コロンビア戦は、観ていて嫌悪を感じるほど、たびたび揉め合いで中断し、アメリカ人審判が裁けなくて見苦しい場面が続いた。延長戦で決着がつかず、ＰＫ戦となり、コロンビア勢の方が最後まで勢いがあったのに、惜しくも１点差でイングランドが８強入りを得た。
梯子と一緒に落下して傷めた膝はまだ少し痛みが残ってて、階段を降りる時など用心が要るけども、歩けるし、クルマの運転も支障ないのでこのまま用心を続ければ快癒するでしょう。
膝を休めるのにＷ杯がちょうどいいので毎日楽しんでます。昨日今日と試合がなく気抜けしてます。
小説も読んでます。
前回（もう３年も前）日本から持って来た池澤夏樹の「マシアス・ギリの失脚」を読みました。この作家のものはこんど初めて読みました。バス・レポートとかちょっぴりシュールなユーモアが方々に配してあってとても愉快。久しぶりに楽しんで長編を読むことが出来ました。メルチョール、バルタサール、ガスパルと、キリスト生誕に際し訪れた東方三博士の名前を持つ南洋の架空の島が舞台です。
日曜（７月１日）に起きた脱走事件には驚きました。ヘリを使って脱走した刑務所がセーヌ・マルヌ県のレオにあるとニュースが報じた時、一瞬耳を疑いました。レオ Réau は昔２年間めのおの職場があった地なんです。セーヌ・マルヌ県のレオといえばあそこしかありません。そこで働いたのは今から２０年以上昔。あの頃刑務所なんてなかった。
バブルがはじける直前で、地域開発プロジェクトに日本の某ゼネコンが参入し事務所を構えていたのでした。日本からの企業進出を当てにしてたのですが、当初、プロジェクトの眼玉だった８万人収容のスタジアム（現サン・ドニのスタッド・ド・フランス）は政治力でパリの北に持って行かれ、ＴＧＶの駅も飛行場も何ひとつ実現しなかった。企業を招いても誰も来てくれず、結局「刑務所」に来てもらったってわけか！
脱獄したのは ロドインヌ・ファイッド Redoine Faîd という禁固刑受刑者で、２０１３年にも脱獄経験がある。銀行襲撃事件で警官一人を殺害した。カリスマ性が強く無法者の間で支持者が多いという。
使ったヘリコプターは、パリ東郊外のニュータウン、マルヌ・ラ・バレ地区内にある飛行クラブのもので、レオに勤務中めのおもここからヘリに乗せてもらい、上空から周辺を視察したことがある。
脱走の際のヘリのパイロットはクラブ所属の６２歳のベテランパイロットで、レオ刑務所に行けと銃で脅され刑務所の中庭に着陸した後、銃把でこめかみを殴られ一時は気を失った。脱出犯が乗りこんだ後、意識を回復しパリの北郊外ゴネス付近にヘリを着陸させた後解放された。パイロットは逃げ、犯人一味はヘリに火を点け逃走した。５日経った今日も行方がわからず数千の警官が捜索中。
(ﾉﾟοﾟ)ﾉ