ふたつの動物の死 | 雷神トールのブログ

雷神トールのブログ

トリウム発電について考える

昨夜、4匹の仔猫のうち、いちばん木登りが上手でいたずらっこのベージュが死んだ。

 

兄弟と同じトラネコで毛色がベージュなので、ベージュの仔猫と呼んでいた。名前はまだなかった。

 

まちがいなく「チフス」にやられたのだ。あっという間、一晩で息を止められた。

 

4日ほど前の午後姿が見えないので心配したが夕方戻って来た。その前日とその日は寒かったので玄関にも電気ストーヴを点けておいた。帰って来たベージュはすぐにストーヴにくっつくように座って暖をとっていた。

 

猫によっては火を怖がらずに薪ストーヴにも近寄って夜などその前のソファーに寝たりするが、これほどぴったりストーヴにくっついて温まるの猫を見るのは初めてだった。

 

土曜と日曜は久しぶりの快晴で、猫たちも外へ出て陽に当たり気持ち良さそうに昼寝していた。

 

3日前に撮った写真↑ 左はアンゴラ(ルナ)で右がベージュ。

 

でも月曜になって4匹の猫は全員ぐったり疲れた様子で一日中寝たきりだった。日なたは暖かいけれど風はまだ冷たいから、てっきり風邪ひいちまったんだな、とスラング(注射器)で水を飲ませたりチューブ入りの宇宙食を食べさせたりした。

 

昨日の夕方になって、ベージュが特に元気がなくなりぐったりと伸びた様子がいかにも病気のネコを思わせた。身体を触ると冷たい。他の猫は毛や体が冷たくても熱があるので抗生物質や水を飲ませていた。

 

ベージュの冷たさは異常だった。4~5年前やはり3匹か4匹庭の隅で産まれるかして引き取った仔猫の一匹がやはり身体が冷たくて暖を求めるように膝に乗りたがり、こちらが動かねばならない時はクズカゴに入って暖をとっていたが、2・3日うちに死んでしまった。その猫もこんな冷たさだった。

 

チビクロと4匹の仔猫↑ いちばん右がベージュ。昨年10月30日の撮影

 

夜寝る前になって、数年前のことを思い出した。前にも仔猫がチフスにかかった時に、湯たんぽを寝床に入れてやり、一命をとりとめたからだ。

 

湯たんぽを買いに行くまではペットボトルにお湯を入れて一晩添い寝をしてやり、湯たんぽがみつかってからは寝床に入れてやったところ、運よく危険を脱した。そうやって助かったのがミネットで、だからあなたになついてるのよ……、そうカミサンが思い出させてくれた。すっかり忘れていたのだった。

 

そのことを思い出し、寝る前に急いで湯たんぽを取り出してお湯を入れ、タオルでくるんで寝床に入れてやったのだが、朝起きてみたら床に落ちて固くなっていた。手遅れだったのだ。

 

2月3日の写真↑ エサに顔を突っ込んでるのはルナ(アンゴラ)。

 

朝5時頃、例によってトラジニが外へ出してくれと鳴くので、下に降りて出してやり、ついでにベージュの様子を見た時は、寝床から這い出て横の肘掛椅子に横になっていた。体に触ると、下半身は冷たかったが、上半身は温みを取り戻したようだったので湯たんぽを入れてやった甲斐があった、眼も開けるし身動きするから大丈夫、これでいちばんに獣医さんとこへ連れてって診てもらえる、と安心したのだった。暗がりの中だったが、心なしか毛並みの色が濃いような気がしたのだった。

 

その筈で肘掛椅子に寝ていたのは兄弟のプチ・デイノだったのだ。同じトラネコでも色が濃い。

 

明るくなって、ベージュじゃなかったとわかり、探したところひじ掛けの横に作った寝床の下に冷たくなって横たわっていた。

 

やはり18日に撮った最後の写真↑

 

昼休み直前にアポをくれた獣医さんとこへ連れてゆくと、いままで見たことのないほどの混み合いぶりだった。ヴァカンスなので子供が一緒に来ているのだ。20人ほどの人、動物は5匹ぐらいだったが、を診察し終わり、やっと時間が出来たマダム・ヴァッサロが診てくれて、3匹の体温を測り、解熱剤と下痢止めを注射してくれた。下痢してない様子のネコも体温計の先に赤い血がついていた。

 

チフスにやられたのなら事前に予防接種をしてないかぎり助からない、前にも流行した時期があり沢山の猫が死んだ。兄弟や他の猫にも感染しやすいから、隔離しなきゃダメという。今から予防接種をしても、抗原体ができるまでに4・5日かかるので、その間にヴィールスに感染してしまえば予防接種も効き目がない。

 

結局下痢止めを5日分、猫全員に与えるように、仔猫はしょっちゅう水を注射器で飲ませ、チューブでむりやりでも食べさせること、と薬と注射器、錠剤を口に入れる道具を貰い、あとは様子を見てまた来なさいとなり、少しは安心できる状態になって帰った。

 

死んだベージュは包装紙に包み、ゴミ袋に密閉してクルマのトランクに積んで来たのだが、荼毘に付して遺灰を甕に詰めてもらう 財政的余裕もないし、すでに3つも遺灰があるので、引っ越すのに置き場に困る。獣医さんに引き取ってもらい火葬にしてもらえるか 訊いたところ、共同火葬にするだけでも60€かかるというので、それでは土葬にしますが、庭に墓を掘って埋めても構わないんですか? と訊いたところ、構わない、という返事なので、これから庭で墓掘りをします。もう5つもネコの墓があるし、鳥たちの墓もあるので、空いた場所を見つけるのに一苦労しなきゃならないけどね。

 

もうひとつの死は小鳥である。昨日の朝、歯医者さんとアポがあるので外へ出たら玄関の前に中くらいの鳥が死んでいた。

 

 

ああ、またネコのやつが殺したな、ともう猫の狩猟に慣れっこになってる心には悲しみも沸かない。

 

猫が小鳥狩に成功して獲物を咥えて家の玄関まで誇らしげに運んだのだろう。

 

猫たちは食べもしないのに遊びに小鳥を狩るからけしからんのだ。もっとも、フランスの貴族たちも狩りを楽しんだ。ヴェルサイユ宮殿も、フォンテンヌブローの城も、シャンボール城もみんな殿さんが趣味の狩りのために森に中に作った休憩所が起源だ。

 

 

鳥はツグミの雌なら全身茶色いので、死んだこの鳥は胸に斑点がある。調べてみるとどうやらヒヨドリらしい。頭の毛が飾りの様に立ってるとか、頬に褐色の斑点があるとか、Web のコメントにはあるけど、確認しないままに、庭の灌木の足元に葬ってやった。

ベージュともども成仏してくれますように。

 

ペタしてね