まあ、「蚤の市」や「ブロッカント」フリーマーケットのインタネット版といえば分かりやすいでしょう。広告は有料と無料があります。ちょっと前テレビで紹介されてたのを見たんです。就活をしていた女性が、国の職業安定所(ハローワーク)に何度通っても見つからなかった仕事が、このサイトに無料の広告を出したら一発で見つかったと、とても有効なサイトだという印象が残っていたので、「飛べないキジバト」の里親探しにルボンコワンに広告に出してみようと思ったのです。
登録をして広告を出したのが6日でした。とたんに3人からメールが来ました。
二人はアドバイスで一人は50km位のところにあるクラムシーの町に住んでる女性。貰いたいけどクラムシーには来たことがあるのかしら? とメールにありました。4~5回行ったことがありますよ。ロマンロランが生まれた街ですから。僕は日本人でロマンロランが好きでここに住んでるようなもんです、とすぐに返事をしました。
アドバイスの一つは「怪我をした野鳥を預かってくれるセンター」があると教えてくれ正にぴったりの情報で、だれも受け取り手がなかったら、ここへ連れて行こうと、お礼の返事を出しました。ただ、場所がウチからは100km以上離れた所なので、最後にとって置くことにし、もう2・3日待って見ることにしました。
7日に「シャルリ・エブド」襲撃事件があり、キジバトには悪いけど、こればかりはと、ボリュームを落して夜まで見続けました。猫を避けるためにキジバトの駕篭をテレビが置いてある部屋に入れ、ドアをぴったり閉めてあったのです。
翌日、イザベルという名の女性から、鳩を預かって世話してあげたいとメールが入りました。シャトーの管理人をしていて、鳩舎があるし、今まで怪我したフクロウやツグミを治した経験がある、とありました。
距離的にも 5~60kmのところで、ここが一番好いと感じました。クラムシーの女性からは返事がありません。
シャトーは、シャルニーという町とラ・フェルテ・ルピエールという町の間のシュヴィヨンにあります。二つの町には行ったことがありましたが、シュヴィヨンというシャトーがあることは知りませんでした。ネットで検索すると、かなり大きなシャトーです。ただ、サイトに乗ってる電話番号は古くて、今は使われていないと電話局のメッセージでがっかり。でも、イザベルさんはちゃんとメールで、電話番号と、金曜は不在だけど、あとは毎日シャトーにいるので、いつ来てもいいとありました。ただ、キジバトの餌が今はないの、とありました。
餌は2箱あるので持って行きます。昼食後電話しますとメールしておいて、猫のチビトラが口内炎で左頬がむっくり腫れてしまったので獣医さんとこへ連れて行くと、夕方まで預かるので6時に来てほしいとなりました。
シャトーに電話してみると、男の人が出て、入り口に呼び鈴があるから、押してくれれば出てゆくと教えてくれました。
今住んでるサンファルジョーもずいぶん田舎ですが、シャトーを探して車で走ると、森と緑地、ときどき池があるだけの、人家もまばらなすごい田舎です。こんなとこにシャトーがあるのか? とだんだん不安になってきました。
看板が出てるからと、男の人が教えてくれたので、看板があるたび徐行し、あるいは後戻りして確かめながら走りましたが、シャトーの看板は見つかりません。ルピエールとシャルニイを結ぶ県道の途中にある筈なのに、まちがったか? と思いながら、とうとうシャルニイまで行ってしまいました。
どっか途中で見落としたんだ、しかたない、もう一遍と、Uターンして来た道を引きかえすと、ルピエールのすぐ近くで道は逆戻りするように枝分かれし、シュヴィヨンと標識が出ていました。逆方向だったので見落としたのです。
小さなシュヴィヨン村にやっとたどり着いて、菜っ葉服を着た職工さんに「シャトーは?」と訊くとすぐ100m先を右に曲がったところ、と教えてくれました。乗ったばかりの車から降りて来て教えてくれたので、車に乗ったままだったこっちは悪いことしたな、と思いました。田舎の人の中にはとても親切な人がいます。
門から見ると実に立派な、しかも修復したばかりの綺麗なシャトーです。
呼び鈴を押すと奥の建物から大きな犬に付き添われて夫人が出てきます。「イザベルさんですか?」
門の前に車を置いてシャトーに入ります。庭に、ガチョウが10羽ほど、鴨が20羽ほどいて、ガアガア鳴き声を発てます。
ピジョニエール(鳩舎)を想像してましたが、冬なので、大丈夫か心配でした。でも、暖炉のある家の中で鳥かごに入れて預かってくれることが分りました。
僕は来週から日本に一時帰国して、兄と共同の個展「二人展」に立ち会ったあと、紀伊勝浦へ行き、「独り住まい」の体験をし、2月の末に、フランスに帰国します。その旨告げると、鳩は預かって、フランスに帰ったら、また引き取ってくれればいい。傷ついた野鳥は回復したら、最初に助けた所で放してやる決まりになってるから、と教えてくれました。
管理人用の家の中はストーブが燃え、窓際にはもう一つの鳥かごがあって「カナリア」など数羽の小鳥が飼われていました。一人じゃなく、仲間が出来てよかった。
シャトーの中を良ければご案内しましょうか? とさっき電話に出た男性(イザベルさんのご主人、というか連れ合い)が勧めてくれましたが、獣医さんに預けた猫をとりに行かねばならないので、とせっかくだけど今回は見送り。また、春に来ますと礼を言ってキジバトを残してきました。



