3年前の夏、水彩画教室に参加した時、みんな暑い陽射しを避け木陰で絵を描いた、ペルーズという小高い丘の上の村に行きました。
この村の教会の脇には、菩提樹の大木があるんですよね↓
小さい広場なのでレンズを広角いっぱいにしても入りきらないぐらい大きい。
根元付近でふたつに別れ、コンクリートや石で補強がしてあります↓
銘板には次のようなことが書いてあります。
「アンリ4世の治世に植えられ、この村の誇りとなっています。
ペルーズは、ラテン語で石の多い村という意味で、ここはピュイゼ地方の最高地点(370m)。近くに市が開かれる広場にも1825年頃植えられた菩提樹の並木があります。この場所にかつて城塞がありました。」
アンリ4世といえば、ブルボン朝初代の国王で、王妃マルゴの映画にもなったマルグリットとの婚礼に際し、プロテスタントの貴族と町民がカトリック同盟に虐殺された聖バルテレミーの虐殺、そして両者の和平を図った「ナントの勅令」で有名ですね。
アンリ4世の在位期間は1589年8月2日から1610年5月14日ですから、この菩提樹の樹齢は400年以上ということになります。
アンリ4世は1610年にカトリックの狂信者に暗殺されてしまいますが、フランス国民からは今日も「良い王様(le bon roi Henri)」と親しまれてますね。
ちょっとだけ、菩提樹について。
お釈迦様は菩提樹の下で悟りを開いたとされていますが、お釈迦様の菩提樹は本種ではなく、クワ科のインドボダイジュ(Ficus religiosa )なんだそうです。
中国では、葉の形が似ているシナノキ科の本種を菩提樹としており、日本へは、臨済宗の開祖、栄西が中国から持ち帰ったとされています。
シューベルトの歌曲集「冬の旅」第5曲「菩提樹(Der Lindenbaum )は本種ではなく、近縁のセイヨウボダイジュ(Tilia europaea)。
こんなふうに菩提樹にもいろいろ種類があって、代表的なのは、アメリカボダイジュ、オオバボダイジュ、ナツ菩提樹、冬菩提樹、マンシュウ菩提樹など、生えている土地によって少しずつ違うようです。
西洋菩提樹は、フランスでは 上の銘板にあるように、le Tilleul と書き、テイユルと発音されますが、語源のラテン語 Tilia の意味は不明だそうです。
中世には樹皮を様々な用途で利用し、テイユルの樹は「友情と忠誠の象徴」とされたということです。
花はハチミツとなったり香りが良いためサラダに入れたり、フランスのどこの家庭でも、乾燥したテイユルの花をお湯に浸し煎じて飲む、アンフュージョンinfusion として常用されています。催眠性があるようで就眠前に飲むとよく眠れるといいます。
これ、テイユルかと思って撮ったら、ヴェルヴェンヌでした(-^□^-)↓ 消化に良い、アンフュージョンです。
中身は違いますけど、同じ形態で、どこのスーパーでも売ってます。
テイユルの煎じ薬は、ほかにも痙攣(spasmes)の治療とか、消化、鎮静剤、風
邪薬としても効用があるとされてます。
菩提樹の脇の石壁にはツタが紅葉してました↓
小道の先に牧場があり、黒馬が一頭、草を食んでいました↓
丘を下るとこんな風景が広がっています↓
パッチワークのカーペットのようで面白いですね↓
少し走ったところ、こんな陸橋と城塞が見えて来ました↓
この村には、透明な湧水の池があります。それについては、またの機会に。








