ハイブリッドカー | 雷神トールのブログ

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トリウム発電について考える

毎日30℃前後の真夏日が続いています。

日向に車を放置しておくと、金属部に触れば火傷しそうに熱く、中はファーネスみたいになるので木陰に退避させます。すると、笹やリラの枯葉がフロントガラスに落ち、エンジンルームの中に入るようなので、昨日は初めてボンネットを開けてみました。


フランスの田舎暮らし-ルーム


昨年暮れに買い替えた車は、Toyota Auris Hybrid Automatic日本製です。フランスでは輸入車(外車)ですね(笑)。小型のハイブリッドカーで、Aurisのガソリン車はときどき見かけるけれど、ハイブリッド車は稀。エンジンルームはご覧の通り、ぎっしり器械が詰まってます。

ガソリンエンジンは横置きで、隣には電動モーターが並んでます。エンジンは1800cc。駆動エンジンが、ガソリンと電気モーターの二つも搭載してあります。後部座席の下には大きなバッテリーが積んであるので、重いんです。

全長 4.25 m、幅 1.76 mと小型なのに、重量は 1800kg 。重いです。この重量のため慣れないうちはなんてトロイんだって感じました。加速に時間が掛かるんです。慣れてからはペダルをグット踏み込めば、出足はガソリン車より速いくらいですが、それでもキュルキュルキュルーとタイヤをアスファルトに軋ませて発進するなんてマネはできません。F1並のスポーツカーに憧れる若い人には、まったく不向きの車でしょう。しかもオートマ車なので、プッシュボタン式のスイッチを押すだけでイグニッションの音もなく、おもむろに悠然と静かに発進するのであります。お年寄り向きといわれればその通りでしょう。

その代り、一旦加速すると慣性が大きいので高速道路では巡航速度を保つのに燃料消費が少なくて済みます。100km あたり平均5L。前のAvensis は排気量は同じ1800cc でしたたが100km 走るのに11L は必要でした。下り坂はもちろん、平地ならガソリン消費はゼロ。慣性だけで数十キロは走ってくれます。ブレーキを踏むと車が持ってるエネルギーをバッテリーに充電してくれます。バッテリーは新車を買ってから5・6年は充電の必要が無いんです。ハイブリッドカーとしてはプリウスの方が普及してますが、フランスで乗ってるお客さんが途中でバッテリーを充電した例はひとつもないと代理店の人が言ってました。

このように、いいことずくめの様に見えるハイブリッドカーもフランスでは人気がいまひとつありません。半年間乗ってみての感想は、フランス人は、まだまだスピード、経済性、加速性能への信仰があって環境とか安全重視を優先しようなんて考えを鼻先で笑ってるんじゃないかと思います。具体例を引いて説明しますね。

先週、ロワール河の土手を走っていた時のこと。一台の確かアウデイーの四ツ輪のロゴを付けたボックス型の白い車が、ぴったり後ろに張り付いて来ました。その時の僕はその直前まで、たぶん熱中症だと思いますが、軽い吐き気がし胃が痛んだのでロワール河畔のプラタナスの大木の木陰のベンチで休み、雷雲が空を覆い暗くなったので、家路に急いだのでしたが、吐き気もあり時速制限の90kmを守って大人しく走ってました。

後ろに張り付いた車は、片側1車線の土手の道で、追い越し可能な見通しの利く箇所を待ちかねたように、僕を追い抜いて前へ出ました。そのまま走り去るものと思いきや、僕のすぐ前でスピードを落とし、必要もないところでブレーキを踏むじゃないですか。すぐに感づきましたが、彼は僕に対する「嫌がらせ」をしてるのでした。追い越しできない道をのんびり走りやがって、5分ほども前を塞いだお前さんはいったい何様ってわけだ。こっちは一向に急がないので構わず川面に鵜や白鳥が群れをなしてる光景を指さしたり、ワザとゆっくり走って「嫌がらせ」が一向に効き目がないことを味わせてやろうとしました。

2・3回ブレーキを踏んだり、鬱憤晴らしをした後、その車はスピードを上げて行ってしまいました。鬱憤晴らしだけでなく、ブレーキを踏みながら、ミラーでこちらを観察してる様子でした。運転してるのが「どんなヤツ」か確かめるだけじゃなくて、このロゴマークのあまり見かけない車がなんなのか見極めようとしてくれてるようでした。それなら、いいんだけど……。

フランスでの運転マナーがそこそこ良くなったのはEUが正式に発足してからで、それまでは制限スピードを30km超えて走るのが常識って状態でした。高速道路は晴天で130km、雨の日は110kmが制限ですが、大抵の車は150で走ってました。EUになってから取り締まりを厳しくしました。それでも、ウチの前の田舎道を110~120kmで飛ばし、制限時速の90kmで走ってる、こっちをどんどん追い抜いて行きます。

人の後ろを走りたくないって気持ちはわかるけど、それだけじゃなく、スピード、エネルギー、力への原始的な、子供っぽい盲信があって、抜け切れていない。フロイドの精神分析は今時はやらないけど、きっと性的衝動と関係があるだろうと思います。

つぎに経済性。フランスに限らず、ヨーロッパはデイーゼル車が多いんです。小型でもデイーゼルエンジンを積んだ車が多いです。しかもマニュアルの。オートマは20%ほど高いので敬遠されます。ハイオクと軽油の差はまだかなりありますが、レギュラーと軽油の差は縮まりました。それでも軽油が安いので、デイーゼル車を選ぶ人が多いんです。数年前からレギュラーにエタノールを混ぜたものが出回って軽油との差はさらに縮まったにもかかわらず。


ヨーロッパのリファイナリー(製油所)は軽油の留分が多いように設計されています。デイーゼル車はカーボン粒子が排出され、これは発ガン物質だと、数年前、正式発表があり警告が発せられました。それでも流れは変わらないんです。フランス人の公害に対する意識は、少数派を別として、汚染なんか風が吹き流してくれる、自然は偉大さ、と日本の60年代の公害が社会問題化した頃の意識と変わっていないんです。

都市の密集度はパリだけ高く、それだけ田舎の自然な空間が広いということもありますが。原発に対しても同じ意識から発しているんじゃないかと思います。大国意識。原発を持ってることの誇り。核兵器を持ってる国の国民意識があると思います。

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