10月の末日という期限ぎりぎりで「告訴団」応援の「告発」に間に合いました。
福島では今週の木曜日15日にデモが行われます。外国に居て被害に遭っていないおまえがなぜ「告訴」と思われるに違いありません。しかし、下に掲げた「陳述書」に書いた理由で、外国に居住するめのおも「告発」に加わることで「告訴団」の応援をさせて頂く事ができます。
安全管理、事故直後の対応のまずさ、情報を隠蔽して発表しなかったことによる責任は重い。「水素爆発」と発表された時、だれでもが燃料棒と水が反応して水素が発生し爆発した、それなら格納容器に漏れがあり放射性物質が大気中に放出されたのだろうと、考えた。これはめのおのような文科系出身者にでも子供にでも判ることでした。
大量の放射性物質が放出されていたにもかかわらず、避難地域の指定を誤った。そのためしなくても済んだはずの被曝をした人が出ました。
「すぐには被害が出ない」などの発言で真実を覆い隠そうとした政府首脳の責任も問われるべきです。
なによりも、地震と津波に対する危険を軽視し、なすべき安全対策を怠り、その上、定期検診で格納容器の亀裂を指摘した検査員の指摘をレポートから削除するなどメーカーとしてやってはならない犯罪を犯しています。これは事故が有ってはならない原発、自らが絶対安全と言いふらしてきた原発を操業し電力を起こし配電していた電力会社として致命的な犯罪行為であり、工場など生産現場で設備を管理する者にとって絶対やってはならない許すべからざる犯罪行為です。日本国籍を持つ一市民として、このような犯罪を見て見ぬふり、知らぬふりをしていることはできません。
以下、陳述書です。
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私は海外で暮らしている日本人です。2004年に定年退職するまでフランスの日系自動車工場に勤務し、現場の「改善指導」をしておりました。
私が生産現場で毎日のように口にしていたことは「安全第一」でした。日本の現場ではオペレーターから社長に至るまで「安全第一」をモットーに日々生産活動に励んでいる。外国に居て、日本が持つ技術の優秀さを誇りに持ち、現地の従業員もそれを誇りに思い、日々の仕事に励んできました。しかし、福島第一の原発事故により、東電という日本最大の企業が、その「安全第一」という標語が嘘だったと世界中の人々に暴露してしまったのです。もともと地震大国の日本に危険を承知の上で原発を作ったのだから、本当に技術に自信があったのなら、今回のような大地震、大津波にも耐え得る設計にしておかなければならなかった筈です。原発事故という絶対に起こしてはならない事故が起きてしまってから、想定外の大きな天災だったために制御不能の事故になったでは言い訳にもなりません。日本人はそんなに無責任なのか? と世界中の人が非難の眼射しを向けています。
東電は福島第一原発の「安全対策」を怠ってきました。設計段階では、非常用デイーゼル発電機を浸水の危険がない高所に置くべきという日本人設計担当者の意見を無視したり、圧力容器に亀裂が入っているという点検作業員の報告書の指摘を削除したりし、「危険」なまま原発の運転を続け、社内で「危険」を指摘することすらタブーとしてきました。
その結果、大量の放射性物質を、大気中、地下水、さらに海洋に放出しました。原発周辺の住民から土地を奪っただけでなく、日本を中心として世界中に体内被曝の危険を広げた。20年も30年も後に、現れてくるような障害を、大人にも子供にも、これから生まれてくる子供たちにさえも負わせる危険を与えたのです。人々から平安に暮らす権利を奪い、美しかった大地を汚し、海水と水産資源を、今後何十年にも渡って汚染してしまったのですから、東電と日本国は日本人だけでなく世界の人々に対して責任があります。
事故発生と同時に適正に対処していれば、これらの危険をずっと小さなものとして防止できました。事故が起こってしまった後も東電と政府は正しい情報を公開しなかった。そのために浴びなくても良い放射線被曝を受けてしまった人たちが増えてしまった。
今まで日本の技術は優秀だ、日本は生産第一より「安全第一」に産業活動を行っている国だ。日本人に対するそういう海外の信頼を、東電と政府のお粗末な対応と隠蔽工作が、無残に打ち砕いてしまったのです。今まで日本人が唱えていたことは、嘘だった、日本人は信用できないと外国人は見ています。日本式「改善活動」は実行不可能になりました。
災害への対応を誤り、事故を拡大してしまった責任者である東電と日本国政府に、今後二度と同じような事故を起こさせないためにも、責任ある姿勢をきちんと表明して頂かないと海外での日本企業の信頼を取り戻すことができないのです。
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以上、陳述書でした。
日本へ帰る旅費もままならず、こうして外国から「告訴団」へささやかな応援を送るしかありません。
子供の頃、エンジニアになりたかっためのお。技術により人間の生活をより良くすることに貢献したいと思っていた。電力会社は電力を供給することによってより豊かで幸福な生活を多くの国民に享受して貰うことが使命ではありませんか。
その電力会社が、福島という美しい土地を住めなくし、遠い将来の何世代にも渡る子供に放射線被曝による危険と不安を与えた上、なお利権の上に胡坐をかき、責任を曖昧にしようとしている。決して放置しておいて良いことではありません。
めのおが住んでいるフランスにも原子力に関しては検査する側と設計し建設し操業する側との癒着があります。核燃料の製造過程で発生する廃棄物を平気で野山に捨て野ざらしにしていたことが発覚しています。めのおは日常生活で原発で作られた電力の恩恵をこうむっている。そういった疾しさも内に感じながら、だからこそ一層、これを機会に、エネルギーと工業発展、将来に渡る地球の環境
保護について考え、できることから始めなければならないと考えます。
11月15日にはまだ間に合います。時間と余力のある方々は是非「告訴団」の応援に駆けつけてあげて下さい。

