多様性の問題 | 雷神トールのブログ

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トリウム発電について考える

二週間が過ぎて調査レポートをまとめる時が来た。
分解したひとつひとつの要素に時間を当てはめて行く。

テーラーの友人で煉瓦工だったギルブレイスが煉瓦積み動作を研究し深化させたのが、動作研究だ。レンガ積み職人が各人各様でやっていた作業の、環境を整え材料を研究し、動作の無駄を省くことにより数倍も生産性を上げた。ギルブレイスは動作改善のパイオニアなのだ。彼の功績は、人間の作業を、価値を生む主体作業と、付随的な付帯作業に別け、付帯作業を極力無くし、主体作業の効率を上げる事により生産性を高められるとしたところにある。

ギルブレイスの動作研究は、その後さらに発展しPTS法と呼ばれる幾つかの体系を生んだ。 PTS法の系譜には大きく、ワークファクター(WF)と MTMの二つがあり、日本はWFを使い、ヨーロッパはMTMを使って来た。

PTS法の前提を、てっとり早く言うと、物を掴む、一歩歩くなどの動作は、白人も黒人も東洋人も男も女も同じ速度で行えるから統計的にあらかじめ定められた、ただ一つの単位時間を与えて良いということだ。

詳細に見るとMTMに比べWFが約二割厳しい。ルノーはMTMを使って、要素作業とその時間、標準作業をコンピユータで管理している。デユポン夫人は、厳しいWFの時間を使って生産性を高めたいと望んでいるのだった。

作業分析と適正な時間の割り出しをしている間、田代は幾つかの疑問にぶつかった。
ハーネスなど柔らかく複雑な物を扱う動作に単位時間を当てはめて良いものか。ラインで観察中、田代は、製品の多様性による作業時間の差の問題にふと気が付き、防水シートを貼る作業をしている中年のおばさんにラインが停った時、聴いてみた。


フランスの田舎暮らし-reardoor


「後部ドアはほとんどが手動だけど、七台に一台の割で電動が来るの。その時は接続コードを引っ張り出してシートとバンドで結わえる作業が必要になるの。三台も四台もつながって来る時はあたし独りじゃ完全にお手上げよ。お助けマンのフランソワの手を借りなきゃならないのよ」

製品の多様性の問題は複雑だから無視して進めと山本は言った。問題を無視しては改善は出来ない。コンサルタントは何らかの対策を示さねばならない筈だ。


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