福島原発事故の海外への影響 | 雷神トールのブログ

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トリウム発電について考える

 東北関東大地震に被災され現在避難されている方々の数は44万人と言われる。真冬の再来で夜は零下になる。どの避難所も暖房用の灯油が欲しいと必死で訴えている。灯油、ガソリンの供給のため港と道路の早急な復旧が必要だ。

 地震、津波に加えて福島原発の事故がさらに追い打ちを掛け、原発から半径20キロ~30キロ内の住民に室内退避勧告が出た。ガソリンがなく避難したくても出来ない人たちもいる。避難所を次々に移らねばならずストレスは限界に達している。

 正しい情報が速やかに届かない。情報伝達のルートが出来ていないためどう行動すればよのか?解らないため不安が一層つのる。

 避難者の受け入れ施設の確保、移動する車両とガソリンの不足、避難している人たちは普段のカロリーの三分の一しか摂取できていない。食料・物資・ガソリンを運ぶ補給路が断たれている。30キロ以内が汚染地区とされ運転手が拒否し、タンクロリーすら入れない。避難者は命の危険に曝されている。

 原発事故で避難した人の数は16日現在20万人。

 原発事故は放射能が目に見えないだけに不安という不合理な感情が人間を動かす。顕著な例はフランスだ。昨日、福島原発事故を受けてフィヨン首相は緊急閣議を開いた。午後の国会(下院)では、珍しくほぼ全議員の出席の元、1分間の黙とうを東北関東大震災の犠牲者に捧げた。そして、アメリカに次ぐ原子力大国であるフランス(19か所58機の原子炉)はすべての原発の安全性検査、耐震性と洪水対策を検査し直し、情報をすべて公開する約束をした。

フランスの田舎暮らし-黙とう

   3月15日フランスの国会(下院)で東北関東地震の犠牲者に黙禱を捧げる国会議員


 フランスで驚くのは、フランスの原子力安全委員会は福島原発の事故をスリーマイル島とチェルノビルの間、危険度6と独自に位置付け、炉心溶融のカタストロフと呼び始めた。環境相は当初、アクシデントであり、チェルノブリとは違うと見解を示していたが、6基のうち4基が冷却不能に陥り、もはや制御できる状態でなくなったと、昨日カタストロフの呼称に修正した。

 めのおも理解できなかったのだが、水素が発生し爆発、原発周辺では400ミリシーベルトと東電社員も自衛隊員も近づけない高い放射能が検出された。つまり核燃料は、依然反応を続けてるんだろう?このままだと格納容器も溶けだすのじゃないか?と不安になるのも当然。

 昨日からUSTREAM でNHKのニュース解説を見られるようになり疑問が少し晴れた。つまり、こんどの事故は核分裂そのものによる事故ではなく、核分裂生成物の崩壊による発熱によっている。微小な熱の蓄積が津波による冷却装置、電気系統が機能しなくなったことによる事故、爆発であり、水(海水)の注入を続ければチェルノビルのような大惨事は避けられる。至急あらゆる手段を使って行わねばならない。

 使用済みでも核燃料はなんと 3年間も冷却し続けなばならないと知った。

 原発が不安をそそるのは建設にあたり、テクノクラートが説明をしないまま、「絶対安全です」と近隣住民を、理解が足りない、知能が低い、つまりバカ扱いして、国の要請、産業と国の発展のために必要だと強引に建設に踏み切った所に不信の原因がある。そこはフランスも同じだ。

 福島原発は津波の脅威を設計者は見ていなかった。エンジニアの奢り、大自然の脅威への謙遜さを欠いたために起こった事故だ。「イカルスの墜落」の教訓を忘れたのかと言いたい。

 4号機は保全作業中で核燃料を建屋の上のプールに貯蔵してあった。地震と津波から4日経ってプールの水が熱で蒸発し、燃料棒が空中に顔を出し、ジルコニウムの燃料を入れてある鞘が酸化して水素を発生し、それが火災、爆発を起こしたと考えられている。自衛隊のヘリで海水を屋根が吹き飛んだ建屋の上から投下しようと準備したが上空の放射線が高く作業は断念された。地上から機動隊の放水車で明朝注水する予定という。

 2号機は圧力抑制室から放射能を含んだ水蒸気と水素が漏れ爆発を起こした。今は海水を消防車で注入を続け当面の危機を避けることが出来たが、圧力抑制室が損傷したとみられ、冷却用の水が原発の外に流れ出しているのが心配だ。

 福島原発は建設後30年経過したかなり古い原発らしい。沸騰水型原子炉といわれている。同じ軽水炉型に分類されているがフランスはほとんどが核燃料を冷却する水とタービンを回す蒸気を作るサイクルは別になっている。

 フランスは社会党も原発の必要性を認めているが、今回の事故の原因、対応の仕方すべてから細大漏らさず教訓を引き出しフランスの原発の安全性を高めたいとしている。ドイツはいちはやく老朽原発の廃止をメルケル首相が発表した。ドイツはロシアからの天然ガスにエネルギーを頼っている。

 フランスの環境派は代換エネルギー、風力、太陽電池開発へもっと予算を割くべきと主張を強め、来月の地方選挙に福島原発事故を利用してる面も否定できないが、原発推進に関し国民投票をすべきと主張している。この国は日本よりさらにテクノクラートの権威主義が強く、原発に関するデータの多くが軍事秘密とされ一般に公開されていない。

 福島原発の事故が1日も早く危険を取り除き、あらゆる人智を集め、責任ある会社は多少の危険を冒しても、安全制御の域に何としても抑え込まなければならない。それは原発という危険な設備を使って営業を行う電力会社と国の責任と義務である。

 エネルギーと電力がどんなに必要かは、計画停電で人々は今まで空気のように電気が使えて当たり前としていた考えを変えることを余儀なくされた。百パーセント安全なエネリギー源はあり得ない。マグニチュード9という世界4番目の大地震に耐え得た日本の原発構造は世界でも日本の安全技術の評価に繋がった。ただ大津波への予測が甘かった。技術者は自然の持つ恐るべき力を誰よりも知っていなければならない。