ムホクは最後の一回をMARABOUTと打った。スクリーンが動き、新しい画面が現れた。コルビエールが自分のために残しておいたメモだった。
* Sとのミーテイング:七月二十日 二〇時から二二時、エトルタのレストラン、予約のこと
* バランス: Ik : 5.000.600 Gb: 7.500.600
* Pの受け取り: DとGにコンタクト
* 船名:チパサ丸 入港日:七月〇日 出港日:七月〇日
電話のメッセージと船名とは合致していた。コルビエールがこれをメモした時は入港と出港日はわかってなかった。留守電メッセージはそれを伝えるものだった。
このメモのイニシアルが何で誰なのか知る必要があると感じた。推定できるのはDとGだけだ。Dはダンテク、Gはジレと理解できる。
Pってなんだ?ケバウが話したプルトニウムのことか。
Sとは誰のことだろう?
七月二十日までにまだ間があるからケバウと和秋に相談し、打つべき手を考えよう。ムホクは画面をUSBメモリーにコピーし、念のために紙に手書きで一字一句間違えないようメモした。これだけの情報で充分だった。ムホクはコンピューターの電源を落とし、忍び足で事務所を抜け出た。
(つづく)
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