11 - 3 人間をぜんぶ混血にする | 雷神トールのブログ

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トリウム発電について考える

 「土地や財産を守るために戦争をし、飢饉や疫病と闘いながら人類は生き延びてきたわよ。疫病で人口が減っても、また子供を産んで増え続けてきたわ。私はヒトという生命の生き続ける強い意志を感じる。

 異なった民族の男女が愛しあって子供を作る。血を混ぜあって新しい人種をつくる。それ以外に戦争や民族対立をなくすことはできないわ。

 人類というのは概念でしかないのよ。現実はなん千もの民族があるだけ。民族が内に向かうかぎり、他民族の蔑視や誤解はなくならない。言葉が違えば考えも違うわ。

 戦争を無くすには、いろんな民族の血を混ぜて、人間をぜんぶ混血にするほかないの。

 森があるかぎり人類は滅びないわ。わたしが子供のときに、こぶとり爺さんみたいに木の洞に隠れて考えていたこと教えてあげましょうか。ヴァイキングの神話なのね。

フランスの田舎暮らし-freine


 北欧の神話では、世界滅亡の瞬間に、宇宙樹のトネリコは保つ母、死者の木、命の木になるの。そしてユグドシルの枝のなかに、一組の男女が身を隠し、ふたりを先祖として新しい種族が育ってゆくの」

 ジャンヌ・マリーは深いフィヨルドの水のような蒼い眼でまっすぐに和秋を見た。和秋はその眼の中に吸い込まれてゆくような気がした。


(つづく)

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