ビッグバン再現ができるか? | 雷神トールのブログ

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トリウム発電について考える

ダン・ブラウンの「天使と悪魔」を読まれた方はご存じだがCERN という核物理学のヨーロッパ研究機構がある。1954年に発足し、基礎物理学と宇宙の構成と法則を研究するための科学者の集まりである。

フランスの田舎暮らし-cern6



「天使と悪魔」では「反物質」の封じ込めに成功した科学者がヴァチカンの教皇選挙(コンクラーヴ)に乗じて集まった枢機卿ともどもヴァチカンそのものを破壊してしまおうという悪魔の計画とそれを阻止する天使たち(ラングドンというダヴィンチ・コードでお馴染みの象徴学者もその一人)の闘いを描いてハラハラ、読みだしたら止められない小説。

現在、CERNの参加国はヨーロッパばかりの20カ国(後注)。メンバー国は経費を分担する代わりに重大決定事項に代表を送り議決に参加する。メンバー以外のオブザーバーも居て情報が与えられる。

CERNの加速器は世界中から580の大学、研究機関が使っている。

そして今年の3月、CERNは新しいハドロン衝突器LHCを完成させた。器といっても直径27km、スイスとフランスの国境をまたぎ地下100mに埋まる巨大なドーナツ型をしている↓

フランスの田舎暮らし-せrん3

2010年9月21日、CERNの物理学者はLHC稼働6カ月後、7月に行った分析の結果を初めて発表した。

「粒子間の、現在まで未知だった新しい現象を解明しつつある」という。

7 TeV (Teraelectrovolt 7兆電子ボルト)を加えたプロトンの衝突で、現在まで観察されなかった幾つかの粒子が緊密に結びついていることが観察された」

フランスの田舎暮らし-Cern2


「この現象の完全な分析のためには、なお時間が必要だし、新しい物理学への第一歩を踏み出すには、さらにデータが必要」だが、と断ったうえで

「米国ブルック・ヘイヴンのRHICで行われた原子核の衝突で観察された、衝突で生じる熱く、密度の高い物質の生成と似た現象」だという。


宇宙生成の秘密に迫る、ビッグバン直後の状況を再現しようという人類の挑戦の第一歩が踏み出された。

(後注:CERNメンバー国は現在のところ:ドイツ、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、デンマーク、スペイン、フィンランド、フランス、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、ノルウェイ、オランダ、ポーランド、ポルトガル、スロヴァキア共和国、チェコ、英国、スウェーデン、スイスの20カ国)