レクサスの事故 | 雷神トールのブログ

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つい最近アメリカでレクサスが事故を起こした。アクセル・ペダルが運転席下のフロアマットにひっかかり減速出来ず衝突事故で4人が死亡する大事故となった。

数年前、ルノーも似たような状況の事故を起こし、運転者とマスコミはメーカーの設計ミスを主張した。ルノーは、運転者の過失を主張し、会社の信用を傷つけたとして逆訴訟し勝訴している。

トヨタはこの事故でアクセル・ペダルの設計にミスはないと主張しながらも、自主的に400万台以上の車のアクセル・ペダルを新しいデザインのものに取り替えるリコールに踏み切った。

欧米人の常識では、これでは自分から非を認めたことになる。

弁証法の伝統がある欧米では、自分の過誤が明らかになるまでは、人は決して「スミマセン」「ごめんなさい」「もうしわけないことをしました」を言わない。言えば自分から非を認めたことになるからである。

赤字に苦しむ現在でさえ、トヨタは安全第一と品質へのこだわりを、アメリカの愛用者に訴え、西洋とは違ったメンタリテーとカルチャーを持つ会社であることを証明しようと、この措置に踏み切ったのであろうか?

事故の原因が、フロアマットなのかアクセル・ペダルなのか?純正品のマットの上にスーパーで買った厚くて重いマットを敷いている運転者も多く、今回の事故もこのケースだったといわれている。

しかし、仮にアクセル・ペダルが引っ掛かったとしても、車というものは、アクセルが戻らず暴走しても、ブレーキを強く踏めば、ブレーキの利きの方がアクセルより優先して利く設計がしてあると事故当時のルノー社長、シュバイツアー氏はテレビインタヴューで弁明に努めた。

レクサスの事故は、複数の人命を奪ったことが、アクセルペダルの形状が直接の原因ではなかったにしても、トヨタは安全と品質へのこだわりを顧客にアピールするために、たとえ何百億かかろうが、自主的なリコールに踏み切る道を選んだのかと推測する。

ビッグ3が揃って経営破綻に追い込まれ、新しく誕生したオバマ政権もいちはやく税金を注ぎ込んで再建プランをスタートさせた。ここへきて、またかつてのジャパン・バッシングが再燃しそうな雲行きとなってきた。

フランスの工場に勤務していた間、会社のカルチャーを若いフランス人に植えこもうとして日本の支援工場の方々は大変な苦労をされていた。日本人同士なら一回言えば通じてしまう事も、フランス人には100回繰り返さなければ解ってもらえないと常々言われていた。

私の上司は、年齢がひとつだけ上だったが、長年の軋轢を乗り越え、悟りに達したかのような優しさで常々フランス人に接していた。「良寛さまのようだ」と私はいつも感心していたものだが、お別れする時、私に一言だけ「けっして争ってはいけないよ」と遺言のように言われたのを思い出す。