クリスマスイヴだからってケンタッキーにいったよ。
持ち帰って中身を確認したらね、買ったセットよりチキンが一個少なくて、すぐに電話したんだ。
そしたら、
ケンタ「本来なら私が責任を持ってお届けするべきなのですが、もうチキンがないのです…」
さすがクリスマスイヴだ。
亜樹「そうですか…じゃあどうすればいいですかね…」
ケン太「ご希望通りにいたします…」
亜樹「そうか、じゃあおねいちゃんよ、わかってるよな?あ?」
ケン太「…はい…」
ケン太は静かに頷くと、羽織をスルリと脱ぎ捨てた。
ケン太のその隠されていたシルエットが、月夜に照らされて一層キレイに見えた。
亜樹「ええモン持っとるやないかいワレ」
しかしケン太はうつむいたまま、一言もしゃべりません。
亜樹はそんなケン太の態度に痺れを切らし、ついつい頬を叩いてしまいました。
亜樹「す、すまんの…!」
ケン太は口腔内を切り、口から血を流した。
久々の血の味、忘れかけていた本能が目を覚ます。
ケン太は大きな翼をはためかせ、鋭いくちばしを空高く伸ばし、月夜に鳴いた。
亜樹「…な、なんだこれは!!?」
ケン太の第二形態である。
自衛隊「このままではお台場に突入します!!!」
ケン太はその大きなカラダを水面に叩きつけながら、お台場に向かい歩を進めていく。
自衛隊「限界です!迎撃許可を!!」
亜樹「…だめだ…撃ってはダメだ!」
亜樹はこう考えていた。
今ここでケン太を撃ってしまったら、残りのチキンがもらえないからだ(もしくは1ピース分返金)。
でもさ、1ピースの為に後日わざわざ行くのも面倒だし、今回のことは忘れよう。
いつも食べ過ぎちゃう俺に、ダイエットを促してくれたと思えば…。
ありがとう、ごめんね、ケン太。