お仕事紹介です!
今回はなんと出版社の方からオファーをいただきまして、初めての書籍デザインデビューです。
ドギャン!

「じゃんけん絶対必勝ガイドブック」です。
発売日などは末端のデザイナーなんかにはあまり知らされないらしいのでわからないですが、近々発売するんじゃないでしょうか?
書籍のデザインって、CDとかよりもシビアと言うか、より目につくものを、そしてクライアントの要望に忠実にがんばりました。
オビのデザインをしているときが一番楽しかったです。
右上の吹き出しと中のセリフはアドリブで入れてみたんですが、クライアントのお気に召したようで一安心。
いやァ、楽しいやら苦しいやらでした。
そしてもう一点、何を隠そう、というか言っていいのかどうかもわからないですが、翻訳の「夢糀拓弥」さんとは、私の兄の「タクヤ」です。
タクヤは大学を卒業してから10年ほど海外で勉強し、翻訳家になりました。
翻訳家の道は決して甘いものではありませんでした。
狭き門な上、さらにそれで食べていける人間はほんの3%らしいです。
タクヤはイギリスで二人の親友が出来ました。
「サリー」と「ジョセフ」です。
サリーはロシア出身、27歳の箱入り娘。
ジョセフはメキシコからやってきた元アスリートです。
同じ夢を目指す3人は、すぐに仲良くなり、いつでも一緒でした。
中でもダーツが一番のお気に入りだったようです。
しかしタクヤの勉強が忙しくなっていくに連れ、ストレスで上手くいかなくなってきました。
サリーはタクヤが好きでした。
ジョセフもタクヤが好きでした。
もちろん、性的な意味でです。
タクヤを中心として、歯車が上手く回らなくなった3人。
そんな中、サリーが口火を切りました。
「島へ旅行に行きましょう!」
タクヤは最初、「こんな時期に何をノンキなことを…」と思ったそうです。
しかし「なりゆき」に任せて行くことにしました。
飛行機ではなく、みんなが初体験だという船に乗り出発しました。
船からは日本人の「なりゆき」(長谷川 成幸)が加わり4人での旅です。
タクヤは久々の解放感に、とても気持ちが良く、サリーに何度もありがとうと言いました。
サリーは顔を赤く染め上げ、その赤みはいつまでも引くこともなく、次第にサルになっていきました。
ジョセフはそれを見て、たいそう驚き飛び上がりました。
飛び上がったまま地上に戻ってこなくなったジョセフは、キジになりました。
なりゆきはなりゆきに任せてイヌになりました。
さァ、鬼ヶ島はもうすぐソコ。
タクヤは3人を連れて島に降り立ちました。
「オニはどこだ!隠れてないで出てこい!!」
タクヤは言いました。
10年に渡る海外生活で、日本に居たときとは見違えるほど自信にあふれていました。
ドッサ…ドッサ…。
生い茂る木々の向こう側から、とても大きな足音が近づいてきました。
「…Who are you, and why do you seek me?」
なんと英語だったのです。
サリーは言いました。
「ヘイ!タクヤ。アイツはなんて言っているの!?」
サリーは戦慄しました。
ジョセフも黙ったまま、傍観していました。
なりゆきはなりゆきに任せています。
「I am takuya!It is not a bad person!Sightseeing!」
ありったけの英語でオニに話しかけました。
しかしオニは怒っています。
「I will let pass here if I answer the quiz that I give correctly」
オニは言いました。
タクヤしぶしぶ受けました。
オニ「At first it is you, monkey!Though it is an ogre, what is the ogre who can eat?」
サリーは英語が苦手だったようで、爆死しました。
オニ「The next is your turn, pheasant!Though it is an ogre, what is the ogre whom tears do not stay in when they cut it?」
ジョセフは空中分解しました。
やはり英語が苦手だったようです。
オニ「The next is your turn, dog!Though it is an ogre, what is the stone with beauty of the jet black?」
なりゆきはなりゆき任せに消滅しました。
さて、もう残るのはタクヤだけです。
しかし悲しみに暮れている場合ではありません。
オニ「The last is you, Takuya!Though it is an ogre, what is the ogre for Tsuguki?」
タクヤ「(鬼は鬼でも、亜樹のとっての鬼は何?…か。わかったぞ!)」
タクヤ「オニい(お兄)ちゃんだ!つまり俺、タクヤだ!!」
タクヤはなんと英語が得意だったのです。
なぜなら10年も学んできたからです。
「I don't understand Japanese.」
オニはキョトンと言いました。
タクヤもキョトンとしました。
この時、タクヤはこう思ったそうです。

「俺が英語と日本語の架け橋にならなければ!」


~fin~