みんな、キセルしてるかい!?

よくさ、自動改札を強行突破していく若者を目にするわけ。

俺から言わせればヤツらは正真正銘の愚民であって、キミたちの愚民レベルなんてcawaiiものだ。

生まれ持った俺のスター性に比べればキミたちも十分愚民だがね。

俺が目にしたことのあるキセルのスキルは、

「ゲートが閉まる前に素早く突破。」

「ゲートが閉じようと何だろうと強行突破。」

「誰かの後ろにピッタリとくっついて一緒に突破。」

「ジャンプして飛び越える。」

の4種類。

4つ目に関してはもう正気の沙汰ではないので、なかなかお目にかかることは出来ないが。

ところで昨日ね、俺も電車移動でしていたんだけど、俺ってホラ、流行りにBI・N・KA・Nなタイプだからさ、Suicaでタッチ&ゴーしようとしたわけ。

そしたらゲートが閉じちゃってさ、アレーッ!なんつって表示を見たらば「残高86円」って。

86円で埼玉から新宿に行こうとしてたなんて愚かすぎる、と自分を戒めていたその時、後ろからバッファローが突進してきたんだ。

いや、まわりくどかったね、ごめん。

つまり、上で挙げた4種類の愚行のうちの一つ、

「誰かの後ろにピッタリとくっついて一緒に突破。」

をまさにしようとした奴が俺の真後ろにいたんだよ。

そいつはまさか俺が残高不足でSTOPするだなんて思ってなかっただろうに、「前進あるのみ」といった勢いで俺の背中に突進してきた。

まるで坊やがパパの背中を見て立派に育ったかのように…。

俺は弾き飛ばされて、思いがけずに上で挙げた4種類の愚行のうちの一つ、

「ゲートが閉じようと何だろうと強行突破。」

を成し遂げてしまったのだ。

肝心のバッファローはどうだろう。

更に後ろの人たちとゲートに挟まれて右往左往していた。

そして俺の方をチラリズムで黙視し、足早に去っていった。

普段は男子たちドキドキさせているであろうチラリズムも、こんな使い方をされるとは思ってもみなかっただろう。

俺はとんだ辱めを受けた。

結果だけみたら俺が愚民だ。

もうお嫁にいけない。



Dolly 亜樹オフィシャルブログ「亜樹日和3」by Ameba