ペガサス幻想。

俺の今の着信音は、聖闘士聖矢の主題歌、「ペガサス幻想(ファンタジー)」。
イカすだろ？
最初はちょっとしたウケ狙いのつもりだったんだけど、今聴くと子供の頃には気付かなかったカッコよさがそこにあった。
ギターがかっけぇんだよな。
でもな、そもそもはウケ狙いだったわけだ。
だのに、その着信音を聴いたオーディエンスが、
「何この曲？だれ？」
なんてリアルに興味を持たれると俺の立場はない。
ウケもしない。
知りもしない。
説明させるな。

ビオレの角栓取りがあまりにも効かねぇもんだから、俺は自力で角栓を取る。
鼻を両サイドからガッチリと挟み込み、ターゲットをニュルルとしばきあげる。
あのニュルっと飛び出る感覚がたまらん。
ただし、満足いくまでしばきあげた後の鼻は大惨事。
真っ赤に腫れ上がり、そのサマは季節外れのサンタクロース。
恋人はサンタクロース。
間違えた、それトナカイやん。
俺の大事な鼻を二度と奪わないでおくれ。
ベチャリとつぶれた鼻。
ブサ可愛いだろう？
俺はこんなブサっ鼻とこれからも手取り足取り生きてゆこう。
今日は真っ赤にしばきあげてしまったけど、朝になればもう仲直り。
それが俺たちのいいところだろう？
俺の親父も、やはりまた同じ型の鼻。
同じ型の、腹。