特養にいる認知症の父に会いに行きました。
父の部屋で、父は車いす、わたしは丸いすに座って向き合って話をしていましたが、父はベッドに視線をやって「横になりたい」と言い始めました。
前回会った時は、全然立てそうになかったので気を逸らして事なきを得たのですが、止められそうにありません。
手を貸すと、父は立ち上がることができました。
危なそうだったらすぐに座ってもらおうと思ったのですが、意外と大丈夫そうなので手を貸してベッドに移動。
わたしが靴を脱がせましたが、ベッドに上がってからは父は仰向けのままジリジリと自力で自分のいいポジションに移動していきました。

横になってしばらく取り留めのない話をしていましたが、父がふと心配そうな顔で言いました。
「おれはどうしてここに入院しているんだったか。肺か心臓かどこかが悪いんだっけな?」
「お父さんの内臓は綺麗です。どこも悪くありません。足をケガしてるのよ」
と言うと、父は明るい顔になって、
「そうか〜」
と言いました。
父のいるのは特養なので病院ではないですが、父はしばしば「自分は入院している」と感じるようです。
