母の作ってくれた料理は、どれもおいしかったけれど、一番に思い出すのは、フレンチトーストです。
実家では朝食用に近所のパン屋さんで食パンを買っていました。
食パンは日にちが経つと少し硬くなったりパサパサしたりします。もともと値下げされているようなものを買ってきた時はより早くそんな状態になります。
そういうパンを、母はフレンチトーストにするのです。
牛乳に砂糖と卵を入れてよく混ぜます。砂糖は甘いと感じるくらい入れます。
そこに4つに切った食パンを浸して一晩置き、翌朝バターを敷いたフライパンで焼きます。
大人になってから一般的なフレンチトーストのレシピを調べると、一晩つけるものはないので驚きました。
その話を友人にしたところ、
「帝国ホテルのフレンチトーストは、一晩つけおくらしいよ!」
と教えてくれました。
帝国ホテル風のおふくろの味。
独身の頃は急に食べたくなってよく作ったのだけれど、結婚してからは作ったことがないような。
そのうち作って夫にも食べてもらおう。
実家では8枚切りのパンでのフレンチトーストが主流でしたが、大人になってから作ってみると6枚切りや5枚切りの厚めの方が好みでした。
