父がショートステイから帰ってきた時、歯医者に行きます。バスに乗って行きます。

 

何十年もここに住んでいるし、バスで歯医者まで行くのもほぼ毎月のことです。

 

それなのに父は毎回言います。

「こうやって外の景色を見ていると、外国に来たみたい」

 

静まり返った車内で、結構大きな声で言うので恥ずかしいのですが「そうだねえ」と返します。

(イラストではマスクしてませんが、実際はマスクしてます)

 

見慣れた風景のはずなのに、いろんなことを忘れてしまった父にとってはもう新しい景色なのです。